メルセデス・ベンツのWeb3部門、NFTコレクションをリリース──デジタルアートDAOとコラボ

デジタルアート団体の「Fingerprints DAO」は、オランダ人アーティストのハーム・ファン・デン・ドーペル(Harm van den Dorpel)氏と、ドイツの自動車メーカーであるメルセデス・ベンツ(Mercedes Benz)とコラボレーションし、自動車をコンセプトにしたジェネレーティブ(生成)アートのNFTコレクションをリリースする。

メルセデス・ベンツNXTがサポート

「Maschine」と名づけられたコレクションは、デジタルコレクティブと仮想体験に取り組むために設立されたメルセデス・ベンツのWeb3部門「メルセデス・ベンツNXT」がサポートしている。

コレクションにはそれぞれ異なる1000個のイーサリアムベースのNFTが含まれている。動いているタイヤをイメージしたデザインで、速度と知覚がテーマ。販売は6月7日にダッチオークション形式(当初の価格から下げていく形式)で開始される。

ツイートによると、メルセデス・ベンツNXTは、クリエイティブスタジオ「0xNXT」が企画、開発、マネジメントする3つのコレクションをリリースする予定。さらにサイドプロジェクトなども計画しているという。

伝統的なアートとのギャップを埋める

ファン・デン・ドーペル氏は、メルセデス・ベンツがイノベーションと美的意識を重視していることが、今回のジェネレーティブアートの制作につながったとCoinDeskに語った。

「制作を依頼され、真にジェネレーティブで、実験的なアート作品を作ることを任されたことは光栄なことだった」と同氏は述べ、さらに「ブロックチェーンがもたらす技術的特徴は、所有権・履歴・保存の観点から、あらゆる種類のデジタルアートにおける流動的な性質を確固たるものにしている」と指摘した。

Fingerprints DAOの創設者ルイス・ラマーリョ(Luiz Ramalho)氏は、メルセデス・ベンツNXTとの連携は、新興のデジタルアートと伝統的なアートの世界の間のギャップを埋めるものだと語った。

「Web3分野の進展にほとんど気づいていない一般の人々が、このようなコラボレーションに注目する可能性がある。私たちはそうした人々に、ここで作られているアート作品、つまりこうした新しいテクノロジーを使わなければ実現できなかったアート作品に実体があることを理解してもらうことができる」(ラマーリョ氏)

分散型自律組織であるFingerprints DAOは、コミュニティから選出された委員会がキュレーションしたNFTアートギャラリーを手がけている。ギャラリーには、NFTブームの先駆けとなったクリプトパンクス(CryptoPunks)のラーバ・ラボ(Larva Labs)による多数のNFT作品やLoot Bagsなどの「比類なく、かけがえのない」と考えられている作品が含まれている。

Web3での長期的取り組み

メルセデス・ベンツは先週、メルセデス・ベンツNXTを発表。「Web3コミュニティにおいて特別な存在感を築くための長期的取り組み」と述べた。ウェブサイトによると、メルセデス・ベンツNXTはメルセデス・ベンツの車や記念品のコレクション価値をデジタル領域に持ち込み、メルセデス・ベンツのすべてのブランドを扱うことを目指しているという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:林理南
|画像:Fingerprints DAO
|原文:Mercedes Benz Web3 Arm To Release NFT Collection With Digital Art Community Fingerprints DAO