ビットコインとイーサリアムに違ったシグナル──5月はどちらも今年初の下落

ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)にとって5月は2023年初の下落となったが、6月も下落でスタートさせた。だが値動きは類似しているものの、CoinDesk Indices Trend Indicatorは、短期的な方向性に違いがあることを示している。

Bitcoin Trend Indicator(BTI)が 「中立」シグナルとなっているのに対して、Ether Trend Indicator(ETI)は「大幅な上昇トレンド」を示している。

Bitcoin Trend Indicator

この指標は、資産価格の方向性とモメンタム(勢い)の強さを示すもの。毎日、「大幅な下落トレンド」から「大幅な上昇トレンド」までの5つのシグナルを生成している。

イーサリアムのトレンドは、3日前に「中立」から「大幅な上昇トレンド」に移行。ビットコインは、4日前に「下落トレンド」から「中立」となった。

Ether Trend Indicator

ビットコインとイーサリアムの差は縮まる

イーサリアムのチャートを長期的に見ると、2022年11月以降の全般的な上昇トレンドと、2023年現時点までの55%の上昇がわかる。

年初からのビットコインの62%の上昇は、依然としてイーサリアムを上回っているが、5月、ビットコインが8%近く下落したのに対し、イーサリアムはほぼ横ばい。その差はこの1カ月で縮まり、4月30日以降のETH/BTCレシオは8.2%上昇している。

イーサリアム強気派はまた、2022年9月以降の27万4000ETHの供給量の縮小をその要因として指摘するだろう。

オンチェーンデータは、投資家がイーサリアムに強気を継続していることを示している。イーサリアム先物のファンディングレート(資金調達率)は4月7日以降、わずか2日間以外、プラスで推移している。ファンディングレートがプラスの場合は投資家センチメントが強気であることを示し、マイナスは弱気を示す。

ビットコインのファンディングレートもプラスを維持しており、最近の価格下落にもかかわらず、強気センチメントが継続していることを示している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:On Heels of First Losing Month of 2023, Bitcoin and Ether Flash Differing Signals