イーサリアム、次のアップグレード「デンクン」の範囲決定

イーサリアム開発者たちは6月8日、「デンクン(Dencun)」と呼ばれる次のアップグレードの範囲について合意した。

今年後半に予定されているアップグレード(ハードフォークとも呼ばれる)には、データ用ストレージの追加や手数料削減を目的とした5つのイーサリアム改善提案(EIP)が含まれる。

アップグレードの中心はEIP4844で、より一般的には「プロト・ダンクシャーディング」として知られている。データを一時的に保存するためのスペースをを増やすことでブロックチェーンをスケーリング氏、レイヤー2ソリューションであるロールアップのガス代(取引手数料)を削減することが期待される。

その他のEIPは以下のとおり。

  • EIP1153:データをオンチェーンに保存するための取引手数料を削減し、ブロックスペースを改善
  • EIP4788:ブリッジとステーキングプールの設計を改善
  • EIP5656:イーサリアム仮想マシン(Ethereum Virtual Machine:EVM)に関する小規模なコード変更
  • EIP6780:スマートコントラクトを終了させる可能性のあるコードを排除

「また我々は、フォークに他の何かを追加することはない」と8日、コア開発者の公式オンライン会議でイーサリアム財団のプロトコルサポート責任者ティム・ベイコ(Tim Beiko)氏は述べた。

ハードフォークの正確な日程は明らかになっていないが、2023年末までに行われるとされている。

「デンクン」という名称は、2つのメインレイヤーで同時に行われるアップグレードの名称を合わせたものだ。実行レイヤーではアップグレード「カンクン(Cancun)」が行われ、コンセンサスレイヤーではアップグレード「デネブ(Deneb)」が行われる。

デンクンの全体像を開発者が把握したことで、より厳密なアップグレードのテストが開始されることになる。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Unsplash
|原文:Ethereum Developers Cement Final Lineup of Changes in ‘Dencun’ Upgrade