コインベース、機関投資家向けウォレットを導入──Web3、DeFi、NFTへの参加を後押し

米暗号資産(仮想通貨)取引大手のコインベース(Coinbase)は12日、機関投資家がNFTや分散型金融(DeFi)に参入しやすくするように設計されたWeb3ウォレットを導入し、機関投資家向けサービス「Coinbase Prime」のサービス拡大を続けた。

新しいウォレットにより、機関投資家は暗号資産やNFT、Dapps(分散型アプリケーション)、DeFiにより幅広くアクセスできるようになり、オンチェーンアプリケーションでのやり取りがしやすくなる。

機関投資家向けに安全な参加方法が必要

コインベースの機関投資家向けセールス・取引担当副社長であるケビン・ジョンソン(Kevin Johnson)氏は12日にCoinDesk TVで、「NFT配布を行ったり、場合によっては自立分散型組織(DAO)で投票したりするなど、何らかの方法でオンチェーンでの活動に参加したいと考える企業が増えている」とした上で、企業は参加するための安全な方法を必要としていると指摘した。

発表によると、クライアントは対応するネットワークから暗号資産を安全に保管し、自己保管している資金に即座にアクセスし、Dappsやスマートコントラクトと直接やり取りできるようになるという。

ジョンソン氏はこのウォレットについて、「実際に既存のPrimeのアカウントの安全性とセキュリティを統合しているため、通常のウォレットが行うことを超えている」と述べた。

マルチユーザー設定に対応

またジョンソン氏は、「(企業は)自身の資産の安全性とセキュリティだけでなく、誰が資産にアクセスできるかや、誰が資産について意思決定できるかを適切に制御できるようにすることを非常に懸念している」と説明。「我々はクライアントからの需要を把握し、クライアントにオンチェーンに参入してもらうにはこれが重要であると認識しており、この製品が出来上がった」と述べた。

アカウントにさまざまな種類の権限や設定のあるマルチユーザー設定がある場合、それらはすべてウォレットに適用され、直接のオンチェーンでのトランザクション(取引)にもその安全性が適用されることが確保されるという。

このウォレットにはコインベースの個人向けウォレットが持つ機能の多くが採用されているが、複数のチームメンバーがウォレットにアクセスする必要がある機関投資家が特に必要とする機能が追加されている。

ジョンソン氏は、「我々は、オンチェーンアプリケーションに参加するために必要な機能を各機関に提供しているだけだ」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Coinbase Paves Way for Big Institutions to Do More With Web3, DeFi, NFTs