コインベース、Baseブロックチェーンの運営で中立性を約束──上場企業として手探り

米暗号資産取引大手のコインベース(Coinbase)は、今月初めに一般公開された新しいブロックチェーン「Base」の分散化と中立性を追求するための計画を発表した。

オプティミズムの「チェーンの法律」に沿う

新しい枠組みは「Base中立原則(Base Neutrality Principles)」と呼ばれている。コインベースのブログ投稿によると、この原則はオプティミズム(Optimism)の「チェーンの法律(Law of Chains)」に沿ったものであるという。Baseはオプティミズムの「OP Stack」のテクノロジーを利用して構築されており、チェーンの法律は、「スーパーチェーン」に向けたプロジェクトのビジョンに沿って構築されたさまざまなチェーンを統合することを目的とした枠組みである。

5つの基準で構成

この計画の発表は、上場企業にとっては未知の領域である、独自のブロックチェーンのスポンサーとなる上でコインベースが繊細な対応をしていることを示している。課題は、Baseに不当な制御を加えたり、分散化のメリットとされるものを損なったりすることなく、Baseの保有から生じる利益を享受することだ。

Base中立原則は5つの基準で構成されている。コインベースは、すべてのOP Stackのブロックチェーンに対する一連の基準を遵守し、ビルダーとユーザーの両方がBaseの中立的でオープンなブロックスペースにアクセスできるようにすると述べた。

コインベースは、ユーザーがBaseに持ち込む暗号資産を管理したり、ブロックチェーン上で発生するトランザクション(取引)の順番を優先させたりすることはないと表明。また、マーケティング目的でプライベートなトランザクションデータを使用しないことや、Baseのユーザーの撤退や出金にいかなる制限も課さないことを約束した。

オプティミズムとの互換性

オプティミズムに関わるチームは自身のブログ投稿で、スーパーチェーンのビジョンに向けたBaseの取り組みは、BaseとOPメインネット(OP Mainnet)に同じアップグレードが適用され、チェーンの互換性が維持されることを意味すると述べた。トランザクション(取引)手数料も分割され、その一部はスマートコントラクトを通じてオプティミズム・コレクティブ(Optimism Collective)に送られる。

オプティミズムによると、Baseユーザーは6年間で最大約1億1800万のOPトークン(約1億8300万ドル相当、1ドル145円換算で約265億3500万円)を獲得できるようになるという。

Baseの作成者であるジェシー・ポラック(Jesse Pollak)氏はブログ投稿で、「我々は、Baseを可能にするオープンソースであるOP Stackやその他の公共財のための持続可能な資金を確保し、それによってさらなるイノベーションと成長を生み出す好循環を生み出したいと考えている」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Coinbase, in Uncharted Territory as Public Company Running Blockchain, Pledges Neutrality