イーサリアム、珍しい失敗──テストネット「Holesky」ローンチできず

イーサリアムブロックチェーンは新しいテストネット「Holesky」を9月15日にスタートさせることに失敗し、歴史的なアップグレード「マージ(Merge)」の1周年を祝うはずだった技術的なイベントに泥を塗った形になった。

イーサリアムのコア開発者によると、ネットワークを生成するためのファイルの1つに設定ミスがあったという。一部のバリデーターは手動でテストネットをスタートさせることができたようだ。

テストネットのローンチは約2週間延期された。

イーサリアムブロックチェーンにとっては、珍しい失敗だ。この1年間、「マージ」や4月の「シャペラ(Shapella)」など主要なアップグレードをスムーズに実施してきた。しかも、急成長するセカンダリーネットワーク、いわゆるレイヤー2ブロックチェーンを取り込みつつだ。

イーサリアムブロックチェーンはビットコインブロックチェーンに次いで2番目に大きなブロックチェーンだが、スマートコントラクトをサポートできるブロックチェーンの中では最大規模であり、注目されている。スマートコントラクトとは、コンピューターのようにアプリケーションを実行できる機能を言う。

Goerliは2024年はじめに廃止

テストネットはメインブロックチェーンのクローンであり、メインブロックチェーンに新機能などを展開する前にトランザクションをシミュレートしたり、アプリケーションをテストするために使用される。イーサリアムブロックチェーンは、現在のテストネットのひとつ「Goerli」をリプレースするために新しいテストネット「Holesky」を作成した。

Goerliは2024年はじめに廃止される予定だ。

Holeskyはイーサリアムブロックチェーンのスケーリング問題を解決するためのもので、開発者はメインネットと比較して2倍の数のバリデーターが参加できるようになることを狙っている。

「修正によって(Goerli)ネットワークを(問題に対応できるように)復活させることは可能だが、何年も稼働する新しいネットワークになることを考えると、新しく始める方がおそらくクリーンだと判断した」とイーサリアム財団のデブオプス(DevOps)エンジニア、パリソシュ・ジャヤンティ(Parithosh Jayanthi)氏は語った。

Holeskyはまた、イーサリアムブロックチェーンの次の大型アップグレード「デンクン(Dencun)」でも重要な役割を果たすと考えられている。デンクンでは、ブロックチェーンのスケーリングを目的とした新機能「プロトダンクシャーディング」が稼働する予定だ。

ジャヤンティ氏はCoinDeskに対して、Holeskyのローンチが延期されたとしても「デンクンにはまったく影響しない」と述べた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Pixabay
|原文:Ethereum’s Holesky Testnet Fails To Launch, in Rare Tech Misstep for the Blockchain