「ウォレット」は使い分けるのか、1つに集約するのか──マスアダプションに向けた可能性・将来像を議論【btokyo clubラウンドテーブルレポート】

CoinDesk JAPANを運営するN.Avenueが2023年7月より展開している企業ビジネスリーダー限定のWeb3コミュニティ「btokyo club」。国内外のキーパーソンを招いた月一回のオフラインでのラウンドテーブルを軸に、基礎動画講座、交流会などを実施している。

9月27日には、第3回目のラウンドテーブルが「ウォレットの大競争時代が始まった!~トークン経済で爆ダウンロードされるウォレットとは?~」をテーマに開催された。

会員限定のクローズ開催のため、内容は詳細に紹介できないが、ウォレットをめぐる幅広い議論の概要を紹介する。

【btokyo club 9月ラウンドテーブル】
ウォレットの大競争時代が始まった!~トークン経済で爆ダウンロードされるウォレットとは?~

Briefing Sessionでは「なぜコンセンシスがメタマスクに新しいフレームワークをもたらすのか」と題して、ConSensysのDirector, in charge of International ExpansionであるLaura Shi氏がオンラインで登壇。オンチェーン取引において大きなシェアを占めるウォレット「メタマスク(MetaMask)」の現状、「Web3のOSを目指す」という将来像、新たな機能である「Snaps(スナップ)」などについて語った。

Main Sessionでは、白石陽介氏(JCBA web3TF副座長)、舘林俊平氏(KDDI株式会社 Web3推進部長 兼 BI推進部)、中村奎太氏(株式会社メルコイン 代表取締役CEO)、野田直路氏(ビットバンク株式会社 取締役CTO)という、さまざまな立場でウォレットの開発・提供などに携わっている方々が登壇。

まず、ビットバンクの野田氏が「暗号資産ウォレットの分類とカストディサービスの紹介」と題して、ウォレットは文脈によって定義が異なること、セキュリティや管理主体などによる分類などを紹介した。

メルコインの中村氏は、3月にサービスを開始し、6月末時点(開始3カ月強)で利用者数が50万人を突破したメルコインのこれまでの経緯やユーザーの特徴を紹介。さらに「ある意味、ウォレットといえる」としたメルコインのメルカリ事業全体における役割、将来像などを語った。

JCBAの白石氏は、Web3ビジネスを取り巻く環境について、ようやく大企業が参入するフェーズを迎えたが、複数の懸念が阻害要因になっていると指摘。「web3事業ルール検討タスクフォース(web3TF)」で課題を明確にし、解決に向けて関係機関との調整などさまざまな取り組みを進めていると述べた。

KDDIの舘林氏は、3月にスタートさせたメタバース・Web3サービス群「αU」を取り上げ、ノンカストディ型ウォレットを採用していることと、その機能について紹介した。

その後4人の議論および会場からの質問では、ユーザーがウォレットを使用する目的、それに伴い複数のウォレットを使い分けることになるのか、1つに集約していくのかなどについて意見が交わされた。


【btokyo club 10月ラウンドテーブル】
アフリカで急拡大する暗号資産取引とWeb3エコシステム~グローバルサウスで増加するスタートアップと流れ込むリスクマネー~

10月19日に開催する第4回ラウンドテーブルで取り上げるのは「アフリカ」。過去3回のラウンドテーブルは、規制、ステーブルコイン、ウォレットをテーマに展開してきたが、特定の地域にフォーカスするのは初めてだ。

現地から、アフリカ最大級の暗号資産取引を展開するYellow Cardのチーフ・コンプライアンス・オフィサーであるMandy Naidoo氏が参加。さらにナイジェリア在住で、アフリカのweb3スタートアップへ投資を行うKepple Africa Ventures Directorの成田氏、同じくナイジェリアをベースに顔が長い動物のNFTプロジェクト「VeryLongAnimals」を展開するAkim氏、CoinDesk JAPAN前編集長でアフリカ主要国のフィンテック/Web3領域をカバーするニュース&データ「NODO」のチーフ・コンテンツ・オフィサー、佐藤茂氏が議論を行う。

日時は、10/19(木)16:00〜20:00。

クローズドで行われるメリットを生かし、毎回、ディープなやり取りが展開される「btokyo club」。参加にご興味・ご関心を持たれた方は、以下のフォームからお問い合わせください。

|テキスト:btokyo members
|編集:CoinDesk JAPAN