米国債の逆イールドが縮小──イーサリアムはビットコインを下回り続ける可能性大

イーサリアム(ETH)は今年、ビットコイン(BTC)を大幅にアンダーパフォームしており、この傾向は続く可能性がある。

これは米国債市場からの明らかなシグナルによるもので、10年物と3カ月物の利回りの差が債券市場用語でディスインバージョン(スティープ化)と呼ばれる動きで、ゼロに向かって回復を再開している。

今年初めから、暗号資産(仮想通貨)の価格は上記のイールドスプレッドと逆相関の関係にあり、反転時には上昇し、反転解除時には値を下げている。コインベース(Coinbase)が追跡したデータによると、ビットコインの90日間のイールドスプレッドとの逆相関は前半の-0.8から-0.42に弱まったが、エーテルのそれは-0.75付近で強いままだ。

イールドスプレッドとは、債券やその他の確定利付債など、異なる債券の利回りの差を指す。

つまり、最近のイールドスプレッドの逆転現象(逆イールド)は、ビットコインよりもイーサリアムに打撃を与える可能性がある。また、スポットETFが承認されれば、さらに後者が孤立する可能性が大きくなる。この結論は、ビットコインを「デジタル・ゴールド」と見なす一方で、イーサリアムを金利に敏感なテクノロジー銘柄に類似したものと見なす、暗号資産市場で長く支配的なシナリオとも一致する。

データによると、スプレッドは過去7日間で-0.65と0.29ポイント上昇し、1月上旬以来の高水準となった。この上昇は、今月初めに見られた-0.80から-0.94への短期間の反転を覆すものだ。

10年物と3カ月物の利回りのスプレッドは、イールドカーブの中で最も広く追跡されているものの1つだ。 逆イールドは歴史的に景気後退の前兆と見なされており、最終的には反転と拡大を見せ、市場の最高値を記録するとされている。

米国債の10年物と3カ月物の利回り間のスプレッドは反転を再開した。(TradingView/CoinDesk)

年初来の5カ月間でスプレッドは1.3ポイント下落し、-1.92になった。ビットコインとイーサリアムの年初来の上昇(それぞれ72%と32%)の大半は上半期に起きている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView/CoinDesk
|原文:Ether Could Continue to Underperform Bitcoin as U.S. Bond Market ‘Dis-Inversion’ Resumes