10億ドルの引き出しが強気ムードを示唆、ビットコインは4万ドルを目指す

ビットコイン(BTC)が年末までに4万ドル以上まで上昇し続けるという見方が強まっており、中央集権型暗号資産(仮想通貨)取引所では最近、ビットコインが大量に引き出されている。

グラスノード(Glassnode)のデータによると、11月17日以降、投資家がコインを直接保有している証として、14億ドル(約2100億円、1ドル=150円換算)相当の3万7000BTCが取引所から引き出されている。

バイナンスが有罪を認めたことに起因するものもあるだろうが、引き出しは長期保有戦略への偏りを表していると思われる。アメリカでのビットコインETF(上場投資信託)のローンチが期待されるなか、長期保有へのバイアスは市場の旺盛な需要とセルサイドの圧力の弱まりを意味する。

取引所からの引き出しは歴史的に現在価格が安値であることを示しており、中期的な価格上昇への期待を裏付けている。

中央集権的な取引所からのビットコイン引き出しは通常、価格と逆相関している。(Glassnode)

ビットコインは12月1日朝、3万8000ドルの大台を超えて取引され、暗号資産市場全体の上昇につながり、いくつかの主要トークンは過去24時間で5%も跳ね上がった。

暗号資産全体の時価総額は1.5兆ドル(約225兆円)に達し、これは2022年5月に最後に見られた水準で、10月に入ってから約4000億ドル(約60兆円)増加している。

一部の市場ウォッチャーは、今後数カ月の間に米連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き下げが予想されるため、市場に資本が集まり、暗号資産のような投機的市場のボラティリティが高まる可能性があると述べている。

「FRBは利上げサイクルを一時停止し、世界中の中央銀行がそれに追随している」と、TradeStationのブローカー責任者アンソニー・ルソー(Anthony Rousseau)氏は米CoinDeskに電子メールで語った。

「引き締めサイクルの頂点に達したと考えるのが妥当だろう。リスク資産が持続的に入札されるためには、金利低下と量的引き締めの終焉という今後の道筋を見極める必要がある」

「我々は2024年に、市場にとって正味プラスの流動性をもたらす機会を迎える可能性がある。ビットコインは市場の純流動性を純粋に反映したものであり、実質的な強気の動きをサポートするためには、プラスの流動性だ」とルソー氏は付け加えた。

FRBのクリス・ウォーラー(Chris Waller)理事は、最近のデータが経済の減速を示唆し、インフレの緩やかさが続いていることから、現在の政策が「適切な場所」にあることを示したと述べ、ビットコインの勢いは11月28日から上昇し始めた。

ウォーラー氏はまた、インフレが低下し続けるのであれば、数カ月以内に利下げを行う十分な論拠があるとも述べた。

金利決定は市場を動かす傾向がある。金利が上昇すると、投資家が利益を得て債券に投資する可能性があるため、通常、株式や暗号通貨などのリスク資産が打撃を受けることになる。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Eyes $40K as $1B in BTC Withdrawals Suggests Bullish Mood