暗号資産ファンド、2023年最大の週間流入──ビットコインショート勢の降伏で
  • コインシェアーズのレポートによると、ビットコイン現物ETFへの期待を追い風に暗号資産ファンドには先週3億4600万ドルの純流入があった。
  • 空売り勢が降伏する兆候が見られる中、今年のビットコインファンドへの流入額は15億ドルを超えた。
  • アルトコインファンドの中ではイーサリアムとソラナへの流入がトップだった。

ビットコイン現物ETF(上場投資信託)への期待が引き続き投資家を引きつけていることを背景に、暗号資産投資ファンドは先週、今年最大の純流入を記録し、2021年の強気相場以来で最も強い動きを維持した。ヨーロッパ最大級の資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)の27日のレポートで明らかになった。

レポートによると、11月24日までの週に3億4600万ドル(約519億円、1ドル150円換算)の純流入があり、9週連続で流入超過となった中で最大の流入額となった。

コインシェアーズのリサーチ責任者であるジェームス・バターフィル(James Butterfill)氏は、「アメリカでの現物ETF発売への期待によって拍車がかかったこの増加は、2021年後半の強気相場以来で最大規模だ」と指摘した。

前週の傾向と同様に、3億1200万ドルが流入したビットコインファンドが大部分を占め、年間純流入額は15億ドルを超えた。

一方、価格下落から利益を得ることを目指すビットコインのショートファンドからの流出は3週連続となり、「空売り派の屈服が続いている」兆候だとレポートは指摘した。ショートファンドの運用資産は現在、2023年4月のピークから61%減少している。

イーサリアムファンドの好転

イーサリアム(ETH)を保有するファンドへの先週の純流入額は3400万ドル。4週連続で純流入がプラスとなり、この期間の純流入額は1億ドルを超えた。イーサリアムファンドは現在、今年これより前に続いた大規模な流出分をほぼ取り戻しており、「センチメントの決定的な好転」を示しているとコインシェアーズは指摘した。

ソラナ(SOL)ファンドは、他のアルトコインの中で最大の350万ドルが流入した。

ポルカドット(DOT)とチェーンリンク(LINK)のファンドも、それぞれ80万ドルと60万ドルの流入を記録した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinShares
|原文:Crypto Funds Attract Largest Weekly Inflow in 2023 as Bitcoin ‘Short-Sellers Capitulate’: CoinShares