JCBA、LPS法改正に向け経産省に提言──「暗号資産の取得・保有を可能に」

日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、LPS(投資事業有限責任組合)法改正に向けた「LPSによる暗号資産の取得及び保有等に関する提言」を12月26日に公表した。提言は同協会のweb3事業ルール検討タスクフォース(web3TF)が中心となって作成、また有効な提言を行うために実施した「Web3.0系スタートアップ及びWeb3.0系VCについての実態調査」の結果も公表した。

JCBAによると、現行法ではLPSによる暗号資産およびその他のトークン保有が認められておらず、国内のベンチャーキャピタル(VC)は、トークンでの資金調達を目指すWeb3.0系スタートアップに投資することができない。また、こうした市場環境のため、Web3.0領域の起業家が海外での起業を選択する事例が数多くあるという。経済産業省は、LPSによる暗号資産の取得および保有を可能にする法改正の検討を進めており、提言はそうした背景を踏まえたものだ。

JCBAの提言内容は以下の通り。

  • 暗号資産(決済利用を目的としたものを除く)の取得および保有並びに運用
  • NFTの取得および保有並びに運用
  • 決済利用を目的とした暗号資産の取得および保有
  • 電子決済手段の取得および保有
  • 暗号資産の貸し付け

なお、提言のために行った実態調査の結果は以下(一部抜粋)。

LPSによる暗号資産の取得および保有を認めるべきだと思うかとの質問に対しては、「そう思う」(82%)、「どちらかといえばそう思う」(14%)と肯定的な回答がほとんどを占めた。

JCBA提供

また、その効果としては、「日本におけるWeb3.0系スタートアップの起業が盛んになる効果」が最多となった。次いで「LPSを通じてWeb3.0系スタートアップとLPSのLPである大企業等とのつながりが生まれ、新たな事業の創出につながる効果」、「日本におけるWeb3.0系スタートアップのコミュニティが活性化し、技術力や競争力が底上げされる効果」が続いた。

JCBA提供

■実態調査について
対象者:VC、Web3系スタートアップ、暗号資産交換業者、法律事務所、監査法人、税理士法人等、およびその他のWeb3.0関連事業者等
回答募集期間:2023年11月8日~2023年11月30日
回答数:56件(VC:11件、Web3.0系スタートアップ:19件、暗号資産交換業者:7件、法律事務所、監査法人、税理士法人等:8件、その他:11件)

|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:リリースより