韓国の暗号資産取引高、株式を超える
  • 韓国の暗号資産(仮想通貨)取引高は3月10日、12兆ウォンを記録し、8日の同国株式市場の11.47兆ウォンを上回った。
  • 韓国では、ビットコインやイーサリアムよりも、アルトコインが人気を集めている。

ビットコイン(BTC)の上昇で、韓国では暗号資産取引の熱狂が復活し、韓国の暗号資産取引所の取引高は先週、株式市場の取引高を超えた。

韓国メディアは、国内の暗号資産取引所の取引高は10日、11.8兆ウォンを記録したと報じた。これは8日の韓国の株式市場の取引高11.47兆ウォン(87億ドル)を上回った。

暗号資産の取引高は、同国の5大暗号資産取引所──Upbit(8.8兆ウォン)、Bithumb(2.7兆ウォン)、Coinone(1764億ウォン)、Gopax(552億ウォン)、Coinone(320億ウォン)の合計。ちなみに、Upbitでの取引高トップ5は、ビットコイン、スペースID(ID)、IQ、ゼロエックス(ZRX)、柴犬コイン(SHIB)。

(韓国の暗号資産取引所の取引高:CoinGecko)

韓国の市場関係者は、暗号資産の取引高が相対的に大きくなったことで、韓国の投資家のリスク許容度が高まったと述べた。

「韓国では、経済の急成長を経験したため、ハイリスク・ハイリターンの投資が好まれる」とオンチェーン分析会社CryptoQuantの創業者キ・ユン・ジュ(Ki Young Ju)氏は述べている。

「富の格差が広がる中、多くの人々がこのような投資に目を向けており、アルトコインはビットコインやイーサリアム(ETH)のような主要資産よりも好ましい選択肢となっている」

ビットコイン、イーサリア、その他のアルトコインが韓国では、世界の他の地域と比べて、高い価格になっているにもかかわらず、取引高が増えていることは、個人投資家の需要が強いことを示している。

「キムチプレミアムは、2022年5月のルナの崩壊以来の高水準となっている。韓国の投資家はビットコインにプレミアムを支払うことを厭わないため、しばしば強い個人投資家需要のサインと見なされている」とCryptoQuantのリサーチ責任者ブラッドリー・パーク(Bradley Park)氏は述べた。

「Upbitの1日あたりの取引高は(ビットコインが)6万ドルに達した後、高水準を維持している。これは、個人投資家からの資金流入をさらに裏付けている」と同氏は続けた。

「キムチプレミアム」とは、世界の他の地域の取引所と韓国の取引所におけるビットコインの価格差を指す。韓国では、ビットコインは10%ほど高い価格で取引されており、他の地域の取引所でビットコインを購入し、韓国の取引所で売却して利益を得るという、収益性は高いが、実際には運用が複雑な裁定取引が可能だ。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinGecko
|原文:Bitcoin Surge Sees Crypto Trading Volumes Exceed the Stock Market in South Korea