ビットコイン、6万2300ドル台まで下落──日銀はマイナス金利解除
  • 日銀は政策金利を10ベーシスポイント引き上げ、長期にわたるマイナス金利政策に終止符を打った。
  • ビットコインは利上げ後に下落し、円相場は圧力を受け続けた。
  • 日銀のマイナス金利解除は、ボラティリティを高め、リスク資産に影響を与えることで知られる円キャリートレードを抑制する可能性がある。

日本銀行は19日、マイナス0.1%となっていた政策金利を0〜0.1%程度に引き上げ、8年間続いたマイナス金利政策に終止符を打った。金融市場に危惧されたパニックが起こることはなかった。

世界の債券利回りにマイナス圧力をかける長短金利操作(イールドカーブ・コントロール:YCC)とETF(上場投資信託)などの買い入れも終了する。

ビットコイン(BTC)は、日銀のマイナス金利解除決定後に下落し、欧州の取引時間中に6万3000ドルを割った。米時間18日にはビットコインETFへの資金流入が減速しているとの報道を受けて、すでに下落に転じていた。日本時間20日10時30分頃には、6万2300ドル台となっている。

しかし、株式市場は19日、比較的堅調で、日経平均株価は下げ幅を縮小し、他のアジア株式市場はまちまちの取引となった。利上げは通常、円高につながるが、むしろ円安が進んだ。おそらく日銀が今後数カ月の利上げを示唆しなかったためだろう。

日銀がさらなる利上げを行えば、暗号資産をはじめとするリスク資産に影響を及ぼす可能性がある(おそらくビットコインは、すでにそのような値動きを見せているだろう)。The Macro Compassによると、日本の投資家は長年、世界で最も多くの海外投資を行っており、1兆ドル以上の米国債と5000億ドル相当のユーロ圏債を保有している。

そのうえ、キャリートレードを通じて、日本円から生み出される流動性は、リスク資産に流入することが知られている。円キャリートレードとは、低金利な円で資金を借り、外貨に変えて、高利回りの資産で運用する取引を言う。

「日銀は現在、基本的にデータに依存している。これは日銀の金融政策反応関数における大きな変化であり、FXのボラティリティが大きくなる可能性があるため、この円安水準での円キャリーポジションのさらなる積み増しを抑制する必要がある。輸入インフレは再び上昇しており、インフレ抑制に役立っている政府補助金は4月30日に終了する」と三菱UFJ銀行のグローバル市場リサーチ・ヘッド、デレク・ハルペニー(Derek Halpenny)氏は、利上げを受けて顧客に送ったメモに記した。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|写真:日本銀行のWebサイト(キャプチャ)
|原文:Bank of Japan Ends Eight-Year Negative Rates Regime; Bitcoin Slides to $62.7K