フラックスファイナンス、トークン発行チェーン「ノーブル」を介してコスモスのエコシステムに進出
  • フラックスファイナンスはノーブルと提携し、これまでイーサリアムで流通していたFRAXとsFRAXをコスモスのエコシステムに導入する。
  • ノーブルは、コスモス上でデジタル資産を発行するために設計された、コスモスアプリケーション専用のブロックチェーン。

時価総額第7位のステーブルコインFRAXの発行元であるフラックスファイナンス(Frax Finance)は、トークン発行チェーンのノーブル(Noble)と提携し、流通網をイーサリアムから、約80のブロックチェーンで構成されるコスモス(Cosmos)エコシステムへと拡大した。

暗号資産(仮想通貨)で担保されたドル連動型ステーブルコインであるFRAXと、そのステーク版であるsFRAXは、ノーブルを通じてコスモスエコシステム上でネイティブに取引できるようになる。

相互運用ネットワークであるコスモスエコシステムへの進出によって、取引、貯蓄、決済、担保など多様なアプリケーションにおけるFRAXとsFRAXの利用促進が期待されると同時に、コスモスユーザーは世界第2位のドル連動型ステーブルコインUSDC以外の選択肢として、分散型ステーブルコインを利用できるようになる。

「コスモスネイティブのFRAXの発行は以前からの優先事項であり、ノーブルとパートナーシップを結べたことを嬉しく思う。私たちは、FRAXとsFRAXが利用可能になることを心待ちにするとともに、私たちやパートナー、そしてコスモスアプリチェーンやユーザーが生み出す革新的なユースケースやインセンティブの可能性に胸が高鳴っている」とフラックスファイナンスの創設者サム・カゼミアン(Sam Kazemian)氏は述べた。

フラックスファイナンスは、ステーブルコイン、イーサリアム上の流動性ステーキング、レイヤー2プラットフォーム、貸借市場などを提供するDeFi(分散型金融)エコシステムだ。フラックスファイナンスが発行する、Frax Price Index(FPI)とfrxETHも、将来的にコスモスで利用できるようになる可能性がある。

ノーブルは、コスモス上でデジタル資産を発行するために設計された、コスモスアプリケーション専用のブロックチェーン。サークル(Circle)のUSDCも2023年9月にノーブル経由でコスモス進出を果たした。本記事公開時点では、ノーブルでの総流通量は1億9500万USDCを超え、全ブロックチェーンにおけるUSDC総供給量の0.6%を占めている。

ノーブルは、Osmosis、dYdX、Celestia、Sei、Injectiveといった主要なコスモスエコシステムのブロックチェーンとの資産のシームレスな統合を可能にする。過去4週間で、25億ドル(約375億円、1ドル150円換算)以上の暗号資産がコスモスチェーン間でやりとりされた。

|翻訳・編集:行武 温
|画像:Billy Huynh/Unsplash
|原文:Frax Finance Expands to Cosmos Ecosystem Via Asset Issuance Chain Noble