ビットコイン半減期は一部織り込み済み、大きな上昇は期待できない:ドイツ銀行
  • ドイツ銀行のレポートによると、ビットコインの半減期はすでに一部織り込まれている。
  • ドイツ銀行は半減期後に大幅な上昇が起きることは予想していないと述べた。
  • ドイツ銀行は、半減期後に暗号資産マイニング企業の拠点の分布はエネルギーコストの低い国に移動すると予想されるとしている。

今後数日以内に起きると予想されるビットコイン(BTC)の半減期はすでに市場から一部織り込まれており、実際に発生した後にビットコインが大幅に上昇する可能性は低いとドイツ銀行(Deutsche Bank)が18日の調査レポートで述べた。

4年に一度の半減期では、報酬が半減し、ビットコインの供給量増加ペースが鈍化する。半減期は4月19~20日頃に起こると予想されている。

CoinDesk Indicesのデータによると、ビットコインは年初から44%上昇しており、取引高上位の暗号資産のパフォーマンスを示すCoinDesk 20 Index(CD20)の2倍以上の上昇となっている。ビットコインのアウトパフォームは主に、1月にアメリカでビットコイン現物ETF(上場投資信託)が発売されたことによるものだ。

レポートは、ビットコインキャッシュ(BCH)がその半減期後に好調なパフォーマンスを見せたのは、メインのビットコインネットワークにとって良い前兆だと指摘した。ビットコインキャッシュは、2017年8月にメインのビットコインネットワークからハードフォークで分離したものだ。

将来的には前向きな見方

アナリストのマリオン・ラブール(Marion Laboure)氏とキャシディ・エインズワース-グレース(Cassidy Ainsworth-Grace)氏は、「将来的には、今後のイーサリアム(ETH)現物ETFの承認への期待、将来の中央銀行利下げ、規制の変更により、価格は高止まりすると引き続き予想している」と述べた。

著者らは、「これに加えて、レイヤー2ソリューションと分散型金融(DeFi)の活動の急増によってネットワークの実用性が増大し、その状況はビットコインエコシステムと暗号資産業界全体にとって非常に有利に見え始めている」と指摘した。

マイナーの拠点分布の変化を予想

ドイツ銀行は、半減期後にビットコインマイナーの拠点の分布が変化すると予想していると述べた。半減期によるブロック報酬の低下によって利益が減少することになるため、マイナーはより安価なエネルギー形態を求めざるを得ないためだ。

レポートでは、「ラテンアメリカ、アジア、アフリカ、中東はエネルギーコストが低いため、マイナーの注目を集めている」としている。

ドイツ銀行は、これまでの半減期が暗号資産の普及、より具体的にはアクティブなビットコインアドレスの数で測定される個人トレーダーへの普及を促進したと指摘。「これまでの各半減期後の最初の150日間で、個人トレーダーのアドレス数は2012年に52%、2016年に37%、2020年に3%増加した」と説明した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Eliza Gkritsi/CoinDesk
|原文:Bitcoin Halving Partially Priced In With No Big Rally Expected Afterward: Deutsche Bank