アメリカはブロックチェーン規制に関して世界のリーダーではない、だがリーダーを目指す:CFTC委員長

米商品先物取引委員会(CFTC)のヒース・ターバート(Heath Tarbert)委員長は、リブラ(Libra)は証券にあたるかどうかを含め、どのような種類の商品にあたるかはまだ明確ではないと述べた。

11月19日(現地時間)、CMEグループのグローバル・フィナンシャル・リーダーシップ会議の合間に行われたCNBCの取材に対して、ターバート委員長は仮想通貨やブロックチェーンに対する米規制当局の現在のスタンスと、こうしたテクノロジーに関するアメリカの世界的なポジションについて語った。

CNBCは当初、ターバート委員長は「フェイスブック(Facebook)のリブラは証券」と述べたと報じたが、公開後にタイトルは変更された。むしろ委員長は、CFTCがコモディティーと分類したビットコイン(bitcoin)と、リブラの現状の開発段階を比較したに過ぎない。

ビットコインには約10年の歴史があり、十分に理解されているので、CFTCは「証券ではなく、コモディティーと分類できる」と委員長は述べた。一方、リブラは「本質的に異なるプロダクト」で、現在は流動的な状態にある。

「リブラは開発中であり、まだ多くの答えが出ていない問題がある。さらに、法定通貨のバスケットに直接連動する構造という点でも、大きく異なるプロダクト」と委員長は語った。

CFTCの元委員長ゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏は以前、リブラは証券として規制すべきと述べた

だが、リブラに対するCFTCの判断は、ローンチまで待たなければならないだろう。リブラ協会(Libra Association)はリブラを米ドル、ユーロ、円、ポンド、シンガポールドルに連動させる予定だ。

プロジェクトがこれまでに見られた規制当局の大規模な反発を乗り越えることができれば、2020年半ばから後半のローンチが予定されている。

まだ準備中のデジタル通貨を分類することは時期尚早と強調しつつ、リブラの共同開発者デビッド・マーカス(David Marcus)氏はまた、リブラはそれぞれ異なる法定通貨に連動する複数のステーブルコインに最終的に分割される可能性があると述べた。

ターバート委員長はインタビューの中で、ブロックチェーン規制については、アメリカは世界的なリーダーではないとの認識を示した。

「我々はトップにいるとは思わない。最下位でもないだろうが。その良い例がリブラ協会だと考えている。設立場所は世界中のどこでも選択できた。そしてスイスを選んだ。私の考えでは、第2候補はシンガポールだった」

しかしターバート委員長は、アメリカがリーダーとなるよう取り組んでいると述べた。他国に後れを取った場合、コストが高くなる可能性があるためだ。

「このテクノロジーのリーダーになった者が、世界の他の人々が従うべきルールを作ることになるだろう」

翻訳:Emi Nishida
編集:増田隆幸
写真:Heath Tarbert image via CoinDesk archives
原文:Too Early to Tell if Libra Is a Security, CFTC Chairman Says