ビットコインの時価総額が2兆ドルを突破──新規購入者が急増

- ビットコインの時価総額は最近2兆ドルを突破し、1月末以来の最高値を記録した。
- 新規購入者は強い関心を示しているが、勢いに乗った買い手は依然として弱く、価格の調整局面が迫っている可能性がある。
ビットコイン(BTC)の時価総額が2兆ドル(約300兆円、1ドル=150円換算)に達した。Glassnodeのオンチェーンデータ分析によると、市場に新たな買い手が殺到している一方、経験豊富なトレーダーは慎重な姿勢を示している。
BTCの価格は5月8日に10万ドルを突破し、1月31日以来初めて時価総額が2兆ドルを超えた。データソースのTradingViewによると、その後、価格は時価総額2兆ドルを上回る水準で安定しており、アナリストたちは13日に米インフレデータが発表された後、記録的な高値に至ると予想している。
このような強気相場では新規投資家が市場に参入するのは一般的で、今回も大規模な参入がみられ、暗号資産(仮想通貨)界隈のスラングで「FOMO(Fear of Missing Out:取り残されることへの恐れ)」と呼ばれる現象が示唆されている。FOMOは、投資家が他者が利益を上げているのを見て購入を迫られたり、自分だけが取り残されることを恐れて価格が大幅に上昇する可能性を懸念したりする心理状態を指す。これにより、投資家は感情に駆られて慎重な分析を欠いた衝動的な購入を行う傾向がある。
「BTC供給マッピングは、新規需要の持続的な強さを示している。新規購入者のRSI(相対力指数)は今週を通じて100を維持している」とGlassnodeはXで述べた。

Glassnodeの供給マッピングツールは、異なる投資家層の行動パターンを詳細に分類している。
新規投資家とは、初めて取引を行うウォレットと定義される。新規投資家が保有するトークンの30日RSI(相対力指数)が週を通して100を維持していることは、これらの投資家からの強い買い需要を示している。
しかし、他の投資家層の活動はそれほど前向きではなく、BTC価格の調整や下落の可能性が浮上している。
Glassnodeによると、モメンタムトレーダーの買い需要は依然として弱く、30日間のRSIは11となっている。モメンタムトレーダーは確立された上昇トレンドまたは下降トレンドを活用し、その継続を予想して取引を行う。
「モメンタムトレーダーの買いは依然として弱く(RSIは約11)、利益確定売りが増加している。新規資金の流入が鈍化すれば、追随の欠如から調整につながる可能性がある」とGlassnodeは指摘している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Crossing $2T in Market Cap Triggers Wave of New Buyers, but Key Players Tread Cautiously, Onchain Data Show