ビットコイン、10万4000ドル付近で横ばい──FRBは金利を据え置き、成長の鈍化を予測
  • 米連邦準備制度理事会(FRB)は6月の会合で、政策金利を4.25%~4.50%のレンジで据え置いた。これを受けてビットコインの価格は、横ばいを維持している。
  • FRBは経済見通しを改定し、今後数年間でGDP成長率の低下とインフレ率の上昇を予想。スタグフレーション圧力の懸念が示された。
  • 資産運用会社21シェアーズ(21 Shares)のデビッド・ヘルナンデス(David Hernandez)氏は、ビットコインはスタグフレーション局面で良好なパフォーマンスを示す可能性があると指摘した。

大方の予想通り、米連邦準備制度理事会(FRB)は6月18日の会合で、政策金利(FF金利)を4.25%~4.50%で据え置いた。

「純輸出の変動がデータに影響を与えたものの、最近の指標は経済活動が堅調なペースで拡大を続けていることを示している」と、FRBはプレスリリースで述べ、次のように続けた。

「失業率は依然として低く、労働市場状況は堅調なままである。インフレ率は依然としてやや高水準にある」。

FOMC(米連邦公開市場委員会)参加者による米国の政策金利の予測を示す「ドットプロット」を含むFRBの四半期経済見通しによると、2025年末までに金利が3.9%に達すると見込まれている。これは今年中に50ベーシスポイントの利下げを意味し、3月の予測と一致している。

ただし、FRBのメンバーは来年には3.6%、2027年には3.4%まで金利が低下すると見込んでおり、これは以前よりも予測される利下げ回数が少なくなっている。

FRBは経済成長見通しも引き下げ、今年の国内総生産(GDP)の増加率は3月の予測の1.7%から1.4%に下方修正された。

また、今年のインフレ率も上昇すると予測され、個人消費支出(PCE)とコアPCEのインフレ率はそれぞれ3%と3.1%に上昇し、3月の予測の2.7%と2.8%から上昇した。

FRBは、今年と2026年の失業率が4.5%に上昇すると見込んでおり、3月の予測の4.4%と4.3%から上昇している。

ビットコイン(BTC)は18日、10万4000ドル付近で推移していたが、FRBの決定後数分後にも10万4200でほぼ変わらずだった。S&P 500とナスダックは上昇した。

「FRBのドットプロットは、経済成長が鈍化する一方でインフレと失業率が不快なほど高い水準を維持する『スタグフレーション圧力』の明確な傾向を示している」と、デジタル資産管理会社21シェアーズの暗号資産(仮想通貨)投資専門家デビッド・ヘルナンデス氏は述べた。

この組み合わせは歴史的に、伝統的資産や法定通貨の価値を侵食してきたが、希少性、国境を越えた性質、米国経済の成長に依存しない特性から、ビットコインには有利に働く可能性がある。

「新たな資本は必然的に価値の保存手段と成長の可能性を提供する資産を探求し、その探求は多くの人を直接ビットコインへと導くだろう」と、ヘルナンデス氏は述べた。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:FRBのジェローム・パウエル議長(miss.cabul / Shutterstock.com)
|原文:Fed Leaves Rates Steady, Expects Weaker Growth, Sticky Inflation