米アーク、IPO後670%急騰したサークル株をさらに1億4630万ドル分売却
  • アーク・インベストは、自社の複数のETFを通じてサークル株を売却。
  • サークルの株価は、規制の追い風と投資家の熱意に後押しされ、IPO後2週間で670%超の急騰となった。
  • サークルのステーブルコインUSDCは、時価総額で世界第2位。

アーク・インベスト(ARK Invest)は、ステーブルコイン発行企業サークル(Circle)の注目を集めた新規株式公開(IPO)からわずか2週間後、自社の複数のETFを通じてサークル株をさらに売却した。

最大の削減は、主力のARKイノベーションETF(ARKK)で、ポートフォリオの約1.8%に相当する49万549株を売却。ARK次世代インターネットETF(ARKW)とARKフィンテック・イノベーションETF(ARKF)もそれぞれ7万5018株と4万3608株を売却し、エクスポージャーを減らした。6月20日の終値1株あたり240.28ドルに基づくと、売却総額は約1億4630万ドル(約171億円、1ドル147円換算)となる。

これは、サークルのIPO以来、3回目にして最大規模の株式売却となる。アークはこれまでに、それぞれ5000万ドル(約73億5000万円)と4470万ドル(約65億7000万円)相当の株式を売却した。

この動きは、サークルの株価が6月5日に31ドルで初値を付けたあと、20日の取引終了時点で240ドルまで急騰し、わずか2週間余りで670%超の上昇という大幅な上昇を受けたものだ。

フォーチュン誌によると、このIPOは1980年以来、5億ドル(約735億円)以上を調達した米国企業としては最も爆発的なものとなった。ステーブルコインに関する明確なルール設定を目的としたGENIUS法案の上院での可決など、規制の追い風を受け、投資家が殺到した。

アークはサークルの保有株数を減らす一方で、暗号資産(仮想通貨)分野以外に資金をローテーションした。アークは複数のETFを通じて、半導体メーカーAMD、eコマース大手Shopify、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)の株式を追加した。

サークルのステーブルコインUSDCは現在、流通額612億6000万ドル(約9兆円)で時価総額は世界第2位。テザー(Tether)のUSDTは、流通額1558億8000万ドル(約22兆9000億円)で、依然としてステーブルコイン市場の大部分を占めている。

それでも、USDCへの支持は急速に拡大している。コインベース・デリバティブ(Coinbase Derivatives)は今週初め、ノーダル・クリア(Nodal Clear)と提携し、規制対象の米国先物市場における担保としてこのステーブルコインを導入すると発表し、ShopifyはBase経由でUSDC決済を可能にしている。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Anne Nygård/Unsplash
|原文:ARK Invest Dumps $146.3M More Circle Shares After Meteoric 670% IPO Surge