ビットコイン、イランによるカタールの米軍基地攻撃後に下落も10万2000ドルを回復
  • 中東情勢の展開を受けて、ビットコインは一時的に9万9500ドルまで下落したが、2.9%急反発して10万2400ドルまで回復した。
  • イランがカタールにある米軍基地に対してミサイル攻撃を実施し、人的被害はなかったものの、市場反応に影響を与えた。
  • 伝統的な安全資産である金(ゴールド)はほとんど変動しなかった一方、原油価格は4%下落した。

ビットコイン(BTC)は6月23日、中東情勢の動向に迅速に反応している。

一時的に9万9500ドルまで下落したビットコインは、過去1時間で2.9%回復し、当記事執筆時点では10万2400ドルで取引されている。

ビットコインは過去24時間では2.5%上昇している一方、ステーブルコイン、ミームコイン、取引所コインを除く時価総額上位20の暗号資産を指数化したCoinDesk 20 Indexは同じ期間に2.1%上昇している。

ビットコインの価格下落は、トランプ米政権が週末にイランの3つの核施設を爆撃したことに対して、イランが報復措置を講じたことを受けて起こった。

イランは、カタールの米軍基地に対してミサイル攻撃を行った。カタール当局者によると、この攻撃による死傷者はなかった。

投資家はイランによる軍事行動に動じなかったようだ。伝統的な安全資産である金は、約3380ドルとわずかに上昇するに留まった一方、原油価格は1日で4%急落した。

「原油が下落している。良い兆候だ」と、Fundstratのデジタル資産戦略責任者であるショーン・ファレル(Sean Farrell)氏はXへの投稿で指摘した。

「戦争や他の外部要因が世界的に混乱を引き起こす場合、通常は短期的な急落が発生し、その深刻度や情報伝達方法に応じて後に回復する傾向がある」と、ブロックチェーン分析企業ナンセン(Nansen)のリサーチアナリスト、ニコライ・ソーンダーガード(Nicolai Søndergaard)氏は述べ、「現時点では、同様の展開が見られると言えるだろう」と続けた。

「スマートマネーは依然として、ややリスクオフ傾向にある」とソーンダーガード氏は付け加え、取引所では目立った資金流出が見られ、価格下落を好機と捉えた投資家が買いを入れたことを示唆していると指摘した。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:6月23日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:BTC Bounces Back Above $102K After Iranian Strikes on U.S. Bases in the Gulf