最新のマクロデータ発表でナスダックは史上最高値を更新──ビットコインと金には引き続き圧力

- インフレデータである米コアPCE(個人消費支出)は5月に0.2%上昇した。予想は0.1%だった。
- アメリカ時間午前の取引で、ナスダック100は史上最高値を更新したが、金は依然として27日に2%下落しており、史上最高値からは7%下落した水準にある。ビットコインは10万6700ドルまで小幅に下落している。
ビットコイン(BTC)は10万2000ドル(約1479万円、1ドル145円換算)から10万8000ドルのレンジで保ち合いを続けている。金は27日に2%下落し、史上最高値からは約7%下落した水準にある。一方、ナスダック100は史上最高値を更新した。
27日午前に発表されたアメリカの2つのマクロ経済指標は、現時点で2カ月近く前のデータだが、ビットコインと金のややネガティブなムードをさらに強めた可能性がある。5月の個人所得は-0.4%で、予想の0.3%には届かなかった。個人支出は前月比-0.1%で、予想の0.1%を下回った。
市場にとっては、アメリカのコアPCE価格指数が5月に0.2%上昇し、予想の0.1%上昇を上回ったことがより重要となるかもしれない。コアPCE価格指数は、変動の激しい食品とエネルギー価格を除いたもので、米連邦準備制度理事会(FRB)が基調インフレの指標として採用している。コアPCE価格指数は前年比では2.7%上昇した。予想は2.6%上昇だった。
このデータは、経済がスタグフレーションに向かっている可能性があるとの見方をさらに裏付けている。著名な金投資家で、暗号資産(仮想通貨)を保有していないピーター・シフ(Peter Schiff)氏は、「今朝発表された弱い経済指標と予想を上回るインフレ指標によってドルインデックスが安値を更新した中でも、トレーダーは金を売り続けている。トランプ大統領が『交渉』した表面的な貿易合意にかかわらず、スタグフレーションとドルの暴落は金にとって強気材料だ」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:TradingView
|原文:Nasdaq Hits Record While Bitcoin, Gold Remain Under Pressure After Latest Macro Data