日銀、デジタルアイデンティティの論文公表──自己主権型IDと取引・決済の関係を考察

日本銀行は6月30日、調査・研究の一環として公表している「日本銀行ワーキング・ペーパー・シリーズ」の最新成果として「デジタルアイデンティティと取引・決済」を公表した。

デジタルアイデンティティは、Web3のマスアダプションを実現するうえで最も重要な考え方であり技術と言える。ユーザー一人ひとりが自分の情報や資産を自分で管理し、さまざまなサービスを利用する際に「何を公開し、何を公開しないか」を決めることが、Web3が実現する社会の基本となるからだ。

「デジタルアイデンティティと取引・決済」では、冒頭の要旨で「近年、こうしたデジタルアイデンティティの管理が、少数のメジャーなサービス事業者に担われるようになってきていることから、プライバシー、サービス利用の継続性、データに対するコントロールといった観点から、リスクやデメリットも指摘されている。こうした状況下で、特定の主体への依存 を避ける形でアイデンティティを構成し、ユーザーが自身でコントロールする『自己主権型アイデンティティ』の考え方が、注目を集めている」と述べている。

さらに自己主権型アイデンティティに関連した要素技術である「検証可能クレデンシャル」や「分散型識別子」などを取り上げ、金融のトークン化が予想される未来において、取引や決済に大きく関わってくることを解説している。

「デジタルアイデンティティと取引・決済」は、以下からダウンロードできる。

ワーキングペーパー・日銀レビュー・日銀リサーチラボ

|文:増田隆幸
|画像:日本銀行のWebサイト(キャプチャ)

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