DEXの市場シェアが過去最高に、CEXのスポット取引量は減少:CoinGecko第2四半期レポート
  • 分散型取引所(DEX)は、中央集権型取引所(CEX)に対して暗号資産スポット取引量で過去最高の市場シェアを獲得したことが、CoinGeckoの第2四半期レポートで明らかになった。
  • バイナンスは取引量が大幅に減少したにもかかわらず、CEXの市場シェアで首位を維持し、クリプト・ドットコムとコインベースも取引量が減少。
  • DEXのパーペチュアル取引量も過去最高を記録し、ハイパーリキッドが市場を支配。

DEXの暗号資産スポット取引量は、バイナンス(Binance)などのCEXの取引量が第2四半期に減少する中、過去最高の市場シェアを記録したとCoinGeckoが報告した。

レポートによると、CEXの中でバイナンスは四半期の取引量が2兆ドル(約294兆円、1ドル147円換算)超から1兆4700億円(約216兆900億円)に減少したにもかかわらず、スポット取引市場シェアで首位を維持。クリプト・ドットコム(Crypto.com)はさらに急激な減少に見舞われ、四半期を通して取引量が61%減少。コインベース(Coinbase)も取引量が減少した。

[CEXのスポット取引量は前四半期比で大幅に減少(CoinGecko)]

CEXの取引量の減少は、ビットコイン(BTC)が新たな史上最高値を更新する中で起こった。この更新は通常、取引意欲を高める要因となる。

DEXのスポット取引量は8763億ドル(約128兆8000億円)に急増し、前四半期比で25%超の増加となったとレポートは指摘。一方、CEXでは急激な減少が見られ、主要プラットフォーム全体のスポット取引量は約28%減少して3兆9000億ドル(約573兆3000億円)となった。

これにより、DEX対CEXの取引量比率は過去最高の0.23に急上昇し、おそらくオンチェーンで直接取引を行うことに対する投資家の需要が高まっていることを示している。

特に目立ったのはパンケーキスワップ(PancakeSwap)で、前四半期比で5倍を超える成長を遂げ、取引量で最大のDEXとなった。同取引所は3920億ドル(約57兆6000億円)超の取引を処理し、DEX全体の取引量のほぼ半分を占めた。この急増は、バイナンスが5月にバイナンスアルファ(Binance Alpha)をローンチしたことを受けてのものだ。バイナンスアルファは、パンケーキスワップ経由で取引をルーティングし始め、BNBスマートチェーン(BNB Smart Chain)をイーサリアム(Ethereum)、ベース(Base)、ソラナ(Solana)を上回り最も利用されているブロックチェーンへと押し上げた。

レポートによると、DEXのパーペチュアル取引量も過去最高を記録し、四半期中に8980億ドル(約132兆円)が取引され、ハイパーリキッド(HyperLiquid)が市場シェアの約73%を占めてこの分野を支配している。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Tötös Ádám/Unsplash
|原文:Decentralized Crypto Exchanges Hit Record Market Share in Q2 Volume: CoinGecko Report