日本発L1「Japan Smart Chain」、通信大手KDDIと提携──バリデータ事業参画へ

デジタルガレージ共同創業者の伊藤穰一氏と、後払いサービスPaidy創業者ラッセル・カマー氏が共同で立ち上げたAltX Researchは7月23日、同社が開発を進めるレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、通信大手のKDDIとビジョンパートナー契約を締結したと発表した。

JSCは、2024年11月27日にの伊藤氏とカマー氏によって開発が公表された、イーサリアムとの完全な互換性を有する日本発のブロックチェーンである。

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その目的は、日本の法規制やビジネス要件に準拠した、安全で信頼性の高いデジタル資産サービスの基盤を国内に構築することにある。

同日に行われたプレゼンテーションにおいて、伊藤氏はJSCを、グローバルなインターネット本体に対する「LAN(ローカルエリアネットワーク)」のような存在だと説明していた。

パブリックなイーサリアムとは別に、信頼できる参加者で構成されるローカルなチェーンを構築することで、企業が日本の規制に準拠しながら安心して利用できる環境を目指す。

技術的には、単なる互換性(EVM互換)ではなく、イーサリアム本体のアップデートにリアルタイムで追随する「Ethereum Equivalence(イーサリアム・イクイバレンス=イーサリアムと同等)」を追求しており、開発者はイーサリアム向けのアプリケーションをほぼそのまま展開できる。

今後、両社はKDDIによるJSCバリデータ事業への参画を具体的に検討するとともに、JSCの技術リソースを活用した国内向け新規サービスの実証実験に向けた準備を進めていく方針を示している。

|文:栃山直樹
|画像:リリースから