- 報道によると、ザ・サンドボックスの従業員250人のうち50%以上が解雇され、複数のグローバルオフィスが閉鎖される予定だ。
- 共同創業者のアーサー・マドリッド氏とセバスチャン・ボルゲット氏に代わり、アニモカ・ブランズのCEOであるヤット・シウ氏が役員に就任した。
- SANDトークンは最高値から90%近く下落しており、プロジェクトの1億ドルから3億ドルの資金が再編の主要課題となっている。
メタバースプラットフォーム「ザ・サンドボックス（The Sandbox）」は、約250人の従業員の半数以上を解雇する大規模なリストラを実施するとフランスの暗号資産（仮想通貨）メディアのザ・ビッグ・ホエール（The Big Whale）が報じた。
このリストラは、共同創業者のアーサー・マドリッド（Arthur Madrid）氏とセバスチャン・ボルジェ（Sebastien Borget）氏が経営幹部のポストから外されるという経営陣刷新と並行して行われる。両氏の職務は、ザ・サンドボックスの筆頭株主であるアニモカ・ブランズ（Animoca Brands）のCEO、ヤット・シウ（Yat Siu）氏が統括することになる。
報道によると、リストラにはアルゼンチン、ウルグアイ、韓国、タイ、トルコのオフィス閉鎖が含まれ、フランスのリヨンの拠点も閉鎖される見込みだ。
これらの措置は、長年の投資を持続的なユーザーエンゲージメントにつなげることに苦戦している同プラットフォームの現状を浮き彫りにしている。過去8年間で3億ドル（約435億円、1ドル=145円換算）を調達したにもかかわらず、ザ・サンドボックスの1日あたりのアクティブユーザー数はわずか数百人にまで減少しており、その多くは主に南米で活動するボットによるものだという。
プラットフォームのネイティブトークンであるSANDも、暗号資産市場がここ数カ月で「アルトコインの季節」に突入しているにもかかわらず、低迷している。2021年には62億ドル（約8990億円）の時価総額を誇っていたが、90%の下落により、現在は約7億ドル（約1015億円）にまで落ち込んでいる。
再編における重要なハードルは、ザ・サンドボックスの暗号資産準備金の扱いだ。この資産は1億ドルから3億ドル（約145億円から435億円）と推定されている。その大部分は、2021年後半のメタバース人気のピーク時に売却された3億5000万ドル（約507億5000万円）相当の「バーチャル・ランド（仮想土地）」による収益だ。
ガバナンス投票が行われる可能性はあるが、8月に提出された3つの提案に対するSAND保有者からの投票はわずか291票にとどまっていることは注目に値する。
ザ・サンドボックスはCoinDeskのコメント要請に応じていない。
｜翻訳：CoinDesk JAPAN
｜編集：井上俊彦
｜画像：Animoca Brands
｜原文：The Sandbox Cuts Half of Its Staff, Restructures as Animoca Brands Take Control
