- YZi Labsは、合成ドルステーブルコインUSDeの発行元であるエセナ・ラボへのサポートを強化する。
- USDeの供給量は130億ドル(約1兆9200億円、1ドル148円換算)で、世界第3位のクリプト・ドル(暗号資産ドル)に成長。
- 新たなフェーズには、BNBチェーンへの拡大、USDtbのローンチ、決済レイヤーConvergeが含まれる。
バイナンス(Binance)の共同創業者である「CZ」ことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏とイー・ヘ(Yi He)氏によって設立されたファミリーオフィス、YZi Labs(旧Binance Labs)は、USDeを支えるプロトコルであるエセナ・ラボ(Ethena Labs)への投資を拡大した。USDeは流通量が130億ドル(約1兆9200億円)を超え、世界第3位の米ドル建て暗号資産となっている。
今回の投資は、エセナがBNBチェーン(BNB Chain)への拡大を含む新たな成長段階に入る中で行われた。これには、開発中の法定通貨担保型ステーブルコイン「USDtb」や、セキュリタイズ(Securitize)とブラックロック(BlackRock)関連パートナーと共同で構築中の機関投資家向け決済レイヤー「Converge」など、暗号資産と伝統的金融の橋渡しを目的とした商品の展開が含まれる。
「合成ドル」として販売されているUSDeは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)を裏付け資産として利用し、これらを取引所における同等価値の永久先物ショートポジションと組み合わせることで、1ドルのペッグを維持している。
2年足らず前にローンチされたこの合成ドルは、他のどのドル連動型暗号資産よりも早く、供給量100億ドル(約1兆4800億)のマイルストーンを突破した。
「当社の投資チームが2023年後半にエセナのCEO、ガイ・ヤング(Guy Young)氏と初めて会って以来、エセナは利回り付き合成ドルのカテゴリーを定義する存在となった」とYZi Labsの投資パートナー、ダナ・ホウ(Dana Hou)氏は述べた。
ユーザーにとって、こうした進展は中央集権型取引所や分散型金融プロトコルを横断してデジタルドルを保有、利用するための選択肢が増えることを意味する。機関投資家にとって、Convergeのような商品は、トークン化された資産向けの親しみやすい決済レイヤーの構築を目指しており、オンチェーン金融インフラの採用が拡大する可能性がある。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:バイナンス共同創業者の「CZ」ことチャンポン・ジャオ氏(Shutterstock)
|原文:CZ’s Family Office Deepens Stake in Ethena Labs as USDe Stablecoin Supply Tops $13B


