- ビットコインの売りが加速し、価格は200日単純移動平均線を下回った。
- S&P500に連動する先物は引き続きリスクオフのシグナルを示しており、債券の安全資産としての需要を強めている。
- 10年米国債利回りは4月初旬以来の最低水準に低下した。
ビットコイン(BTC)は10月17日に下落を続け、主要な移動平均線を割り込んだ。リスク回避姿勢が続き、米国債利回りは数カ月ぶりの低水準となった。
時価総額でトップの暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは、CoinDeskのデータによると200日単純移動平均線(SMA)である約10万7500ドルを下回り、10万6900ドルまで下落を拡大した。価格は前週の6.5%下落に続き、今週は7%下落した。エックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)、イーサリアム(ETH)などの他のトークンも下落を拡大し、週間の下落率はそれぞれ9%から12%に達した。
BTCの下落は、金融システムにおける流動性逼迫の兆候が強まる中、アメリカの現物ETF(上場投資信託)から5億ドル(約750億円、1ドル=150円換算)超の資金流出が発生したことを受けたものだ。
価格の弱さは、今後数日で10万ドルを下回る可能性を示唆するテクニカルチャートの弱気シグナルと一致している。
ウォール街の主要な株価指数であるS&P500の先物は約1%下落した。10月16日にはザイオンズ・バンコープ(Zions Bancorp)とウエスタン・アライアンス・バンコープ(Western Alliance Bancorp)が不正融資への関与を公表し、システム全体での大規模な懸念を煽ったことで、銀行株が指数を押し下げた。
リスク回避の動きが債券需要を刺激し、10年物米国債の利回りは3.94%まで低下した。これは4月以来の低水準だ。通常、債券価格と利回りは逆方向に動く。
今週初め、フィラデルフィア連銀の製造業景況指数は36ポイント急落し、マイナス12.8となった。これは経済活動の減速を示し、景気への懸念を引き起こしている。これも長期国債の需要増加に寄与した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Slips Below 200-day SMA as 10-Year Treasury Yield Hits Lowest Since April


