テクノロジー関連のコンサルティング事業などを展開する東証グロース上場企業のDef consultingは10月17日、暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードとの業務連携を発表した。
本連携は、イーサリアム(ETH)を活用した同社のトレジャリー戦略(企業資産の管理・運用戦略)を本格化させることを目的としている。
この動きは、同社が9月17日に発表していたトレジャリー戦略の方針転換に基づく。その発表において、当初ビットコイン(BTC)を対象としていた戦略を、全面的にイーサリアムへ切り替えることを決定していた。
理由として、競争が激化するBTC市場を避け、国内ではまだ競合のいないETHトレジャリー市場での先行者優位を確立することを挙げていた。今回のSBI VCトレードとの連携は、この戦略を実行に移すための具体的な一歩となる。
連携では、SBI VCトレードが提供する大口顧客向けサービス「SBIVC for Prime」の枠組みを活用し、ETHの取得、保管、運用に関する包括的なサポートを受ける計画だ。
具体的に提供されるサービスには、特別スプレッドを適用したOTC(相対)取引による大口取得、保有ETHを対象としたステーキングによる報酬獲得、そしてETHに関連するオプション取引の活用が含まれる。
こうしたDef consultingの動きは、企業の財務資産として暗号資産を保有するトレジャリー業界(DAT)全体の大きな潮流とも一致している。
これまでビットコインが中心であった同市場において、企業の関心はイーサリアムやソラナ(SOL)といった他の資産にも拡大している。
スタンダード・チャータード銀行のデジタル資産調査責任者であるジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は同行のレポートで、ビットコイントレジャリー市場は模倣者の増加により飽和状態にあると指摘。
その上で、ステーキングが可能なイーサリアムは、収益性のないビットコインよりもトレジャリー資産として有利な立場にあり、今後さらに企業の支持を集める可能性が高いと分析している。
|文:栃山直樹
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