- シティ(Citi)は、10月10日の清算が暗号資産(仮想通貨)リスク選好への主要な打撃となったと指摘した。
- 米現物ETF(上場投資信託)への資金流入の減速がビットコイン強気論を脅かしている。
- オンチェーンデータは、クジラ(大口保有者)の保有量の減少とテクニカルの弱さを示していると、シティは述べた。
シティは、暗号資産市場は最近、株式市場の好調にもかかわらず低迷していると指摘し、10月の大規模な清算が投資家心理を落ち込ませたと分析した。
アナリストのアレックス・サンダース(Alex Saunders)氏とナサニエル・ルパート(Nathaniel Rupert)氏は11月5日発表のレポートで、10月10日の売り圧力がレバレッジをかけた暗号資産トレーダーだけでなく、新規参入した現物ETF投資家にもリスク回避の姿勢を広げたと指摘した。
米ビットコイン(BTC)現物ETFへの資金流入はここ数週間で急減速しており、アナリストらが強気見通しの重要な支えと呼ぶ要素に打撃を与えている。
シティの予測は、ファイナンシャルアドバイザーやその他の投資家がビットコインへのエクスポージャーを徐々に増やすことでETFへの資金流入が安定することを前提としている。この勢いが失速していることから、センチメントが軟調な状態が続く可能性があると、レポートは警告した。
オンチェーンデータも慎重な見方を裏付けている。アナリストらは、ビットコイン大口保有者の数が減少する一方、小規模な個人ウォレットは増加を続けており、一部の長期投資家が売却している可能性を示唆していると指摘した。
資金調達レートの低下は、レバレッジ需要の減退をさらに示唆している。
テクニカルな観点からも、見通しは改善していない。ビットコインは200日単純移動平均線(SMA)を下回っており、シティは市場がこうした指標に依存していることを踏まえ、この水準が需要をさらに圧迫する可能性があると指摘した。
また、準備金の減少と短期金利の高止まりにより銀行流動性が逼迫していることもビットコインの弱さに関連していると、シティは分析している。業界は依然として広範な採用サイクルの初期段階にあるものの、現物ETFへの資金流入が暗号資産センチメントの転換を測る主要な指標であり続けると、レポートは結論づけた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Pixabay(CoinDeskが加工)
|原文:Citi Says Crypto’s Weakness Stems From Slowing ETF Flows and Fading Risk Appetite


