- ストラテジーは、優先株の配当を賄うために14億4000万ドル(約2246億4000万円、1ドル156円換算)の現金準備金を確保することを目的として、普通株を売却した。
- ビットコイン価格の最近の急落を受け、同社は通期利益とビットコイン利回り目標を大幅に引き下げた。
- 同社は先週、ビットコイン保有量をわずかに増やし、総保有量は65万BTCに達した。
ストラテジー(Strategy)とエグゼクティブ・チェアマンのマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏は12月1日早朝、各種優先株の配当支払い能力について批判の声が上がる中、14億4000万ドル(約2246億4000万円)の米ドル準備金を確保したことを発表した。
プレスリリースによると、この準備金は先週の普通株売却によって調達され、ストラテジーは当面、少なくとも12カ月分の配当を賄えるだけの資金を準備金に維持する予定。同社はさらに準備金を積み増し、最終的には24カ月分以上の配当を賄うことを目指している。
ストラテジーのCEOであるフォン・リー(Phong Le)氏は、現在の準備金で21カ月分の配当を賄えると指摘した。
新たな目標の設定
ビットコイン(BTC)価格が年末に15万ドルに達するというストラテジーの予想に反し、最近急落した(12月1日の朝にはさらに5%下落して8万6000ドル)現実を踏まえ、同社は通期利益とビットコイン利回り目標を調整した。
年末の価格レンジを8万5000~11万ドルと想定すると、通期純利益は55億ドル(約8580億円)の損失から63億ドル(約9828億円)の利益の範囲になると、ストラテジーは見込んでいる。
いわゆるビットコイン利回り目標は、従来の目標である30%から22~26%の範囲に引き下げられた。
通年のビットコインのドル建て利益目標は、従来の目標である200億ドル(約3兆1200億円)から84億~128億ドル(約1兆3104億~1兆9968億円)に引き下げられた。
新たなビットコイン購入
ストラテジーはまた、控えめな追加購入を行い、130BTCを1170万ドル(約18億2520万円)で、1BTCあたり8万9860ドルで購入したことを発表した。これにより、同社はこれまでに65万BTCを483億8000万ドル(約7兆5472億8000万円)で、1BTCあたり7万4436ドルで取得したことになる。
今回の購入資金は、先週実施した普通株821万4000株の売却によって調達した14億7800万ドル(約2305億6800万円)で賄われた。この資金の大部分は、前述の米ドル準備金の確保に充てられた。
ストラテジー株は、ビットコインの急落に伴い、プレマーケット取引で4.4%下落した。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:マイケル・セイラー氏(Gage Skidmore/CC BY-SA 2.0/Modified by CoinDesk)
|原文:Strategy Establishes $1.44B Cash Reserve, Slashes 2025 Profit, BTC Yield Targets


