- ビットコインは12月11日、早い時間帯に急落したものの、米国株式市場終了直後に9万3000ドル台まで反発した。
- ビットコインの終盤の上昇は、ナスダックが午前中の大幅下落から回復した動きと連動。ナスダックは0.25%安で取引を終えた。
- あるアナリストは、「ビットコインの下落圧力は弱まりつつあるが、市場はまだ安全圏には達していない」と指摘した。
ビットコイン(BTC)は12月11日、トレーダーが米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ決定を消化する中で9万3000ドルまで回復したが、アルトコインの大半はこの反発に追随しなかった。
10日のFRBによる利下げ決定と米国株の急落を受けて8万9000ドルまで下落したビットコインは、当記事執筆時点では9万3000ドルで取引され、過去24時間では小幅に上昇している。
アルトコインはおおむね、早朝の損失を維持し、カルダノ(ADA)とアバランチ(AVAX )が6~7%安と下落を主導した。イーサリアム(ETH)は前日比3%安ながら、3200ドル台を維持した。
ビットコインの終盤での反発は、米株式市場の動きと連動し、ナスダックは一時1.5%安となったものの、終値は0.25%安に収まった。S&P500は小幅高で終了し、ダウ工業株30種平均は1.3%上昇した。
この日の目立った上昇は貴金属で、銀は5%急騰し1オンスあたり64ドルと史上最高値を更新。金は1%超高い4300ドル近くまで上昇した。この上昇は、米ドル指数(DXY)が10月中旬以来の安値に下落したことが追い風となった。
暗号資産取引所ジェミナイ(Gemini)は、米国で予測市場提供の承認を規制当局から得たとのニュースを受け、株価が30%超上昇し、暗号資産関連株の中でも際立った値上がりを記録した。
暗号資産と株式の乖離
取引会社ウィンターミュート(Wintermute)のデスクストラテジスト、ジャスパー・デ・マーレ(Jasper De Maere)氏は、11日の動きが、特にマクロ要因を巡る暗号資産と株式の乖離拡大を裏付けたと指摘。
「過去1年間の取引日において、マクロ要因が影響した日にビットコインがナスダックを上回ったのはわずか18%だった」と、デ・マーレ氏は語り、次のように続けた。
「昨日はこのパターンに合致した。株式が上昇する一方で暗号資産は売られ、利下げが完全に織り込まれ、わずかな金融緩和はもはや、下支え要因として機能しないことを示唆している」。
デ・マーレ氏はさらに、2026年前半に向けてスタグフレーション懸念の初期兆候が現れつつあり、市場は次なる主要材料としてFRB政策から米暗号資産規制へ注目を移し始めていると付け加えた。
ビットコインの売り圧力、弱まる
分析会社スイスブロック(Swissblock)は、ビットコインの下落圧力が勢いを失い、市場は安定化しつつあるが、まだ安全圏には達していないと指摘した。
同社はXへの投稿で、「第2の売りの波は第1波より弱く、売り圧力は強まっていない。安定化の兆候はあるが…確証には至っていない」と述べた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:12月11日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Rebounds to $93K from Post-Fed Lows, but Altcoins Remain Under Pressure


