「中央銀行デジタル通貨は経済に悪影響も」韓国中銀、預金残高の不足を懸念

韓国の中央銀行、韓国銀行(BOK)は、中銀が発行する仮想通貨(CBDC=Central Bank Digital Currency)が経済にマイナスの影響を及ぼしかねないとする報告書をまとめた。

CBDCの発行が商業銀行の流動性にどう影響するかを考察した報告書は、2019年1月29日に公表された。

報告書は、「国民が仮想通貨に直接アクセスできるようになれば、商業銀行の普通預金残高が減少し、銀行は貸出金利を引き上げて現金の不足に対応する可能性がある」と指摘、さらに「金融の安定性にはマイナスの効果を及ぼす。預金の引き出しが増えて、商業銀行の普通預金残高が不足し、パニックが発生するリスクも高まる」と述べた。

CoinDesk Koreaによると、レポートの共同執筆者のKwon Oh-Ik氏は「CBDCが発行される場合、金融システムへの悪影響を防ぐための補完的な対策を取る必要があるだろう」と語った。

韓国銀行は2018年6月、CBDCの発行は金融政策に悪影響を及ぼし、経済不安定化につながるリスクがあると懸念を表明していた。

中銀の中銀として知られる国際決済銀行(BIS)も2018年春、「CBDCの発行を検討している国の中銀は、それが金融政策や経済安定性と関係していることを考慮し、”慎重に”対応すべきだ」と注意を促している。

一方で、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)専務理事は、現金需要の減少とデジタルマネーの振興という観点から、CBDCの探索を奨励している。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真: Bank of Korea image via Shutterstock 
原文: Korean Central Bank Study: Issuing Digital Currency Poses Financial Risk