世界初のCBDCに?──マーシャル諸島共和国、基礎技術にアルゴランドを採用【中央銀行デジタル通貨】

マーシャルソブリン(SOV)は国家が発行する初のデジタル通貨として流通する可能性があり、アルゴランドを使って構築される。

マーシャル諸島共和国のデジタル通貨、マーシャルソブリン(SOV)の提供に取り組むテクノロジー企業、SFBテクノロジーズ(SFB Technologies)は3月2日、マーシャル諸島の将来のデジタル通貨のためのブロックチェーン基盤としてアルゴランド(Algorand)を選択したと発表した。

SFBの共同創業者で最高技術責任者(CTO)のジム・ワグナー(Jim Wagner)氏は、アルゴランドは「主要プロトコルの選択肢における広範な市場調査」に基づいて選択されたと声明で述べた。同氏によると、アルゴランドはSOVを適切に発行・管理するために十分な安全性とスケーラビリティを備えている。

「アルゴランド・プロトコルの強みの1つは運用時のスピードで、トランザクションは迅速なだけでなく、完全に最終的なものとして動作する」とアルゴランドの最高執行責任者(COO)のシーン・フォード(Sean Ford)氏はCoinDeskに語り、コアチェーンは使いやすく、変動するボリュームに対応するために動的にスケール可能と付け加えた。

「我々のテクノロジーはこの取り組みをサポートする能力があると理解している」

コ・チェーン上に構築

MIT教授でチューリング賞受賞者のシルビオ・ミカリ(Silvio Micali)氏が発案したアルゴランドは、フォークのようなガバナンスの潜在的な問題がない、スケーラブルなプルーフ・オブ・ステーク(PoS)ネットワークとして設計されている。

2019年夏、パブリックトークンセールで6000万ドル以上を調達し、すでにアイスランドの電子マネースタートアップがブロックチェーン上に法定通貨を導入するために使用している。

マーシャル諸島のSOVを構築する合意に基づき、アルゴランドはデジタル通貨の作成、発行、継続的な管理のための基礎技術を提供する。同社はSOV発行後には技術支援も提供し、SOVを継続的に同国の要件に適合させる。

SOVはアルゴランドのパブリックブロックチェーン上に構築されるのではなく、「コ・チェーン(co-chain)」として知られる許可型バージョン上に構築され、これによりマーシャル諸島共和国の政府と中央銀行はネットワークを厳重に監視することができる。

SOVは同国の公式通貨である米ドルに固定され、インフレ率はアルゴリズムで4%に固定される。

世界初の中央銀行デジタル通貨になるか

マーシャル諸島共和国は2018年はじめに米ドルと連動するデジタル通貨を発行する意向を表明した。CoinDeskの記事で同国高官は、マーシャル諸島共和国はSOVがすべてのコンプライアンス要件を満たすよう国際的な規制機関と連携していると述べた。

アルゴランドは数か月にわたって、同国とともにSOVに取り組んできた。発行は2020年後半の予定、中国とカンボジアも独自デジタル通貨の発行を計画しており、一番を狙う競争はすでに始まっている。

「全員が一致団結している。最初に関門を超えるためにマーシャル諸島と非常に積極的に連携している」

フォードCOOは、SOVは将来のいつかの時点でグローバルエコシステムの一部として、他国のデジタル通貨と互換性を持つように作られていると付け加えた。

「中央銀行のデジタル通貨への取り組みは拡大する一方で、現在、多くの国がこの分野でブロックチェーンを活用する方法について協力し、検討している」

フォードCOOは、マーシャル諸島共和国以外の国との提携、あるいは提携の試みについては明言しなかった。

翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Algorand Blockchain Chosen as Underlying Tech for Marshall Islands’ Digital Currency