インドの仮想通貨取引所:ルピーで購入可能に──最高裁の判決受け、中央銀行が禁止解除

インドの中央銀行にあたるインド準備銀行(Reserve Bank of India)が最高裁の判決により仮想通貨禁止の解除を余儀なくされてから数時間後、インドの仮想通貨取引所が、銀行口座への振替に対応を始めた。

ムンバイに拠点を置くコインDCX(CoinDCX)は2020年3月4日(現地時間)、同取引所はインドで初めて完全に銀行口座振替を統合したため、ユーザーがインド・ルピーで仮想通貨を購入することが可能になったと発表した。

これは、2018年にインド準備銀行が課した、金融機関に対する仮想通貨企業への銀行サービス提供の禁止に対して、インド最高裁が違憲判決を下してから6時間も経たずに行われた。

コインDCXや他の取引所の代理人として請願を申し立てた法律事務所イキガイ・ロー(Ikigai Law)の創業者兼マネージング・パートナー、アニルドゥ・ラストギ(Anirudh Rastogi)氏は、今回の判決は、仮想通貨が銀行システムに脅威を及ぼすことを示す根拠はほとんどないという点が理由になっているとコメントした。

インド準備銀行による禁止は、「そのように対処することを目指すリスクに対して釣り合って」いないと見なされた、とラストギ氏は指摘した。

コインDCXの共同創業者兼チーフ・エグゼクティブ、スミット・グプタ(Sumit Gupta)氏は、最高裁の判決がインドの仮想通貨業界の「変容」の触媒となるだろうと述べた。

インド国民が再びデジタル資産に投資することが可能になった今、銀行口座の統合は「最優先事項」であったと、グプタ氏は述べた。

「仮想通貨購入における新たなアクセスのしやすさと利便性によって、この変化はインドでの仮想通貨の普及を加速させる劇的な効果を持つと我々は信じています」とグプタ氏は述べた。

銀行口座の統合は、コインDCXがインドの金融機関とのパートナーシップを結んだことを意味するのかは不透明だ。コインDCXは、コメントの求めに即座には応じていない。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Mumbai, India. Credit: Shutterstock
原文:Indian Crypto Exchange Adds Bank Transfers Hours After RBI Ban Lifted