E&Y、暗号資産会計ツールをリリース

世界4大会計事務所の1つ、アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)は、仮想通貨ユーザーの会計および税金計算を支援するツールをリリースした。

2019年3月4日月曜日(現地時間)、「Crypto-Asset Accounting and Tax (暗号資産会計・税金計算、CAAT)」と呼ばれるソフトウエアソリューションを発表した。アメリカ国内の顧客に向けたサービスで、米内国歳入庁(IRS)に暗号資産仮想通貨関連の確定申告をする際の準備を補助する。

CAATは、「実質的にほぼ全ての主要取引所」から取引情報を参照し、複数の情報源から集めたデータをもとに、確定申告書だけではなく、ダッシュボードやレポートの作成も自動化できると同社は述べている。

E&Yは、仮想通貨を保有および取引している顧客の数に「著しい」成長が見られた述べており、法人顧客のみならず、個人顧客も同製品のターゲットとしている。

「同製品は、弊社のプライベートクライアントサービスの顧客である、個人富裕層をターゲットにしています。また、ユーザーを弊社の経験豊富な専門家とペアリングして、確定申告書作成を支援するモバイルサービス「TaxChat」のユーザーにも同製品は提供されます」と同社は述べている。

暗号資産は進化し続け、その実用性も向上していくため、同ソフトは、特に資産管理企業にとって有益となるだろうとも同社はコメントしている。

「私たちが市場から受けた開始早々の反響は、非常に素晴らしかったです。しかし、まだまだ始まったばかりです」とE&Yのパートナーで、国際ブロックチェーン税務部門のリーダーを務めるマイケル・マイズラー(Michael Meisler)氏は述べている。

仮想通貨関連の税金計算は、多くの場合、腹立たしいくらい複雑。そのため、この手続きを補助するツールは増えつつある。一番最近だと、仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)が、アメリカ国内の顧客向けに、インテュイット・コンシューマー・タックス・グループ(Intuit Consumer Tax Group)が提供する納税申告用ソフト「ターボタックス(TurboTax)」を自社のサービスに組み込んだ

また顧客をさらにサポートするために、コインベースは、仮想通貨およびビットコインの税金管理ソフト 「コイントラッカー(CoinTracker)」も同時に導入した。 コイントラッカーは、Yコンビネータによる支援のもと、元グーグル従業員によって開発された。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:EY image via Shutterstock
原文:EY Aims to Make It Easier to Calculate Crypto Taxes With New Tool