暗号資産は米国より欧州の機関投資家に人気?──先物への投資意欲強まる:フィデリティ調査

暗号資産は米国より欧州の機関投資家に人気?──先物への投資意欲強まる:フィデリティ調査

フィデリティ・デジタル・アセッツ(Fidelity Digital Assets)が欧米の機関投資家を対象に行った調査で、約8割の機関投資家が暗号資産に興味を持っていることが分かった。また、暗号資産を保有する割合は、ヨーロッパの機関投資家の方が、アメリカの機関投資家よりも高かった。

フィデリティ・デジタルが6月9日にまとめた報告書によると、 デジタル資産に投資していると回答した機関投資家のうち、22%が暗号資産先物に投資していた。この数値は2019年の9%から倍増した。暗号資産で投資対象として最も多かったのはビットコインだった。

調査は2019年11月から2020年3月にかけて行われ、対象はアメリカとヨーロッパの774の機関投資家。そのうち393の回答はアメリカの機関投資家から寄せられた。暗号資産先物に投資しているアメリカの機関投資家は、2019年の調査ではわずか40だったが、今回は86にのぼった。

「現金および現物決済の先物取引を提供する、暗号資産ネイティブおよび既存のサービス提供業者の最近の増加」が、機関投資家が暗号資産先物への投資を大幅に増やしていることの一因だろうと、報告書には記されている。

フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)は、世界最大級の資産運用会社だ。プレスリリースによると同社は、7兆9000億ドル(約850兆円)を超える顧客資産を運用している。

同社は2018年、アメリカの機関投資家に対してカストディおよび取引実行サービスを提供するデジタル子会社の設立を発表。2019年12月には、ヨーロッパにも同様の新組織を設立した。

ファミリーオフィスや超富裕層も積極的

同報告書によると、回答者の36%にあたる279のアメリカとヨーロッパの機関投資家がすでに、デジタル資産に投資している。

ヘッジファンドとベンチャーファンドが最も多くの投資を行っていたが、ファミリーオフィスや超富裕層の個人投資家においても同領域への積極的な投資姿勢が見られた。

ファミリーオフィス:超富裕層の個人や家族の流動資産を一括して管理する専用の資金運用サービス。

「今回の調査結果は、投資可能な新たな資産クラスとしてのデジタル資産に対する、より大きな関心と受け入れに向けた市場トレンドを裏付けている」とフィデリティ・デジタル・アセッツのトム・ジェソップ(Tom Jessop)社長はコメントした。

具体的な要因は不明

興味深いことに、暗号資産を保有している割合は、ヨーロッパの機関投資家(45%)の方が、アメリカの機関投資家(27%)よりも高かった。このトレンドは心理面にも表れており、アメリカの74%に対して、ヨーロッパの機関投資家の82%はデジタル資産に何らかの興味を持っている。

今回の調査では、アメリカの機関投資家が暗号資産先物への投資を増やしている要因は明らかにされなかった。CoinDeskは今月、暗号資産デリバティブの取引高が5月に過去最高の6020億ドルに増加したことを報じた。特にオプション契約は4月と比べて、大幅に増加した。

その際、CryptoCompareのチャールズ・ヘイター(Charles Hayter)CEOは、増加は「より洗練された多様な投資家層」の参入を表している可能性があると述べている。

先物商品の詳細や機関投資家が利用しているプラットフォームについて、フィデリティ・広報担当者は、プラットフォームの詳細は調査内容に含まれず、現時点で提供できる情報はないと回答している。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Alexander Oganezov/Shutterstock
原文:Number of Institutions Buying Crypto Futures Doubled in 2020: Fidelity Report

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