ブロックチェーンスマホ「フィニー」にマイイーサウォレットが統合

ブロックチェーン・スマートフォン「フィニー(Finney)」の開発企業、シリンラボ(Sirin Labs)は、仮想通貨ウォレットのマイイーサウォレット(MyEtherWallet)のサービスをフィニーに統合する。

この提携により、フィニーの内臓コールドウォレット内でマイイーサウォレットのイーサリアムウォレット生成サービスが展開されると、ニュースサイト「Finance Magnates」が2019年3月20日に報じた。

マイイーサウォレットは21日、ツイッターで今回の提携を認めている。

同報道によると、マイイーサウォレットのユーザーは、同社サービスのウェブサイトとアプリでフィニーを購入することが可能になる。一方、フィニーのユーザーにとっての利点は、イーサリアム(ETH)の購入と秘密鍵の管理がより便利になること。

Finance Magnatesが掲載した記事の中で、シリンラボのCEO(最高経営責任者)、Zvika Landau氏は「2つの製品が補完し合うため、両社にとってより大きなマーケットシェアを獲得する」ことにつながると述べている。

フィニーは、ユーザーが保有する仮想通貨を安全に保管することに重点を置いている。同社は以前から端末のコールドウォレットは事実上、端末内に内蔵された第2のデバイスだと強調してきた。また、端末にはウォレット専用のプロセッサが別に搭載されており、ユーザーは第2の液晶ディスプレイ(LCD)を使用して操作する。シード・フレーズの入力はこの画面でのみ行うことができる。

フィニーは仮想通貨をより使いやすくしようと考え、ユーザーが使用するアプリに応じてトークンを変換する機能の準備を進める。このサービスの開始時点ではトークンの選択肢が限られていたが、シリンは今月にダッシュ(DASH)、ライトコイン(LTC)、ERC-20トークン全てに対応するよう同端末にアップデートを加えている

フィニーのOS「シリンOS」は、グーグルのアンドロイドOSをベースとしていて、ブロックチェーン機能の使用を前提としている。フィニーのウェブサイトによると、同端末にはウォレットのセキュリティ用の物理的なスイッチ、暗号化通信、3段階認証などもその他の機能として備わっている。

同社は昨年、端末の開発を行うため、新規コイン公開(ICO)により1億5700万ドル(約173億9800万円)を超える資金を調達した。

マイイーサウォレットの創業者兼CEOのコサラ・ヘマチャンドラ(Kosala Hemachandra)氏は、20日付の記事の中でこう述べている。

「ハードウェアウォレットを搭載したスマートフォンの存在は、ユーザーにとって極めて有益だと我々は信じている。仮想通貨の送受信が簡単になるだけでなく、幅広い層のユーザーが仮想通貨にアクセスできるようになるだろう」

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Finney phones image via Sirin Labs
原文:Sirin Labs, MyEtherWallet Team Up for Finney Phone Integration