初のビットコイン取引から14年、ダボス会議で示された可能性【日曜日に読みたい厳選10本】

フィニー氏はビットコインの価値を予測していた。世界中の家計の資産の一部がビットコインに流入し、1BTCはいつの日か1000万ドル(約13億円)の価値を持つと考えていた──今週公開したコラムやインタビューの中から、日曜日に読みたい10本を厳選。

初のビットコイン取引から14年:ハル・フィニー氏を偲んで

ビットコイン(BTC)取引が初めて実行されてから、14年が経った。2009年1月12日、ビットコインの生みの親サトシ・ナカモトは、高名な暗号技術者でコンピューターサイエンティストのハル・フィニー(Hal Finney)氏に10BTCを送った。この試験的取引はBTCに価格がつく前に行われたもので、世界初の暗号資産ネットワークが実現した多くのピア・ツー・ピア送金の先駆となった。

2014年8月に他界したフィニー氏は、サトシ・ナカモト以外では、初めてビットコインソフトウェアをダウンロード、実行した人物でもある。…続きを読む

嫌われる暗号資産用語──マイニング企業も社名変更

この数年間、自社に注目を集めるには、社名に暗号資産(仮想通貨)に関連した用語を加えたり、暗号資産関連の新しい取り組みをアピールすれば十分だった。

「ロングアイランド・アイスティー(Long Island Iced Tea)」が2017年、社名を「ロング・ブロックチェーン(Long Blockchain)」に変更し、株価が上昇した有名な事例から、大手企業がWeb3やNFTの取り組みをアピールすることまで、話題を集める確実な方法は、暗号資産のメリットを前面に押し出すことだった。…続きを読む

市場の新しい哲学:テクノロジーを具現化した資産

最近、暗号資産に懐疑的な人たちからの「だから、価値などないと言ったじゃないか」というコメントを聞いているうちに、はっきりわかったことがある。つまり、前回、価格が弱気サイクルから上昇して以来、一般の人たちの暗号資産に対するイメージがどれほど変化していたかを私は十分に理解していなかった。

前回の弱気相場の頃、暗号資産は新しいタイプのお金、グローバルコンピューター、エンゲージメントのためのインセンティブ、ガバナンスの価値だった。…続きを読む

ダボス会議、ブロックチェーンが示したのは問題ではなく可能性

米サークルがWEF会場の最寄駅近くに設置した広告(Nikhilesh De/CoinDesk)

スイスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)の年次大会(ダボス会議)に参加している500前後の企業のうち、約半分はテクノロジー関連の企業やスタートアップだ。

街の中心部を走る大通り「プロメナーデ」では、各社がブースを設置。ブロックチェーンテクノロジー、人工知能(AI)、バーチャルリアリティ(VR)、ロボティクス、3Dプリント、IoTなどの最新製品やサービスを紹介している。…続きを読む

FTX破綻から新たに学ぶ教訓はない

新しい年が始まったが、私はこの先、暗号資産懐疑派に何もプレゼントする必要がないことを理解している。

なぜなら、業界として私たちはすでに、何十億ドルもかけて、真にプライスレス(値段がつけられないほど貴重)で、絶対に流行遅れにならないプレゼントを買ってあげたから。そう、懐疑派が常に正しかったという、心地よい自己肯定感だ。…続きを読む

シルバーゲート銀行を救ったのは1930年代の大統領?

シルバーゲート銀行(Silvergate Bank)は1988年、当時大流行していた貯蓄貸付組合(S&L)としてサンディエゴで設立された。今では「成長を続けるデジタル通貨業界向けに、革新的金融インフラソリューションを提供する有力な」銀行となっている。

公式ウェブサイトによればシルバーゲートは、銀行との関係を維持することに困難を抱えがちな、1300以上のフィンテック企業を含めた暗号資産企業を顧客としている。…続きを読む

暗号資産マーケティングには変化が必要──インフルエンサーに説明責任を

ケンダル・ジェンナーをはじめとするトップモデルを広告塔にした音楽フェス「ファイア・フェスティバル(Fyre Festival)」を目当てに、ミレニアル世代の若者たちは2017年、バハマに押し寄せた。

その後の展開は、多くの人が知っての通り。地元ビジネスは大きな痛手を受け、食事には悲惨なチーズサンドイッチが提供され、騙された参加者たちは、贅沢なライフスタイルを送るためにチケット代金を使った主催者を相手取って集団訴訟を起こした。この騒動の核となったことがある。「インフルエンサー・マーケティング」だ。…続きを読む

アート界はNFTを過小評価している

「これはアートか? 確かに魅力的な人たちだが『アーティスト』という肩書きには値しない。ペテン、詐欺で、アートの歴史と美の伝統を危険にさらしている」

2022年にNFTについて行われた議論のように聞こえるかもしれないが、これは実際は、今ではあらゆる美術館にコレクションされているアール・ブリュット(アウトサイダー・アート)について1940年代に行われた議論だ。…続きを読む

トークン利用、高まる認知度と広がる期待「デジタル証券フォーラム2022」で語られたこと【イベントレポート】

パネルディスカッション「信託銀行3社が語る、デジタル証券市場の共創と未来」 (日本経済新聞社 Nブランドスタジオ)

ブロックチェーン技術を利用したデジタル証券(セキュリティトークン:ST)と、それを通じた資金調達のSTO(セキュリティトークン・オファリング)が国内外で高い注目を集めている。取引の容易さやコスト削減、高い安全性、小口化などさまざまなメリットが指摘されており、個人投資家への浸透も今後進んでいきそうだ。

そのSTについて、国内のキープレイヤーが現状と展望を語り合うイベント「デジタル証券フォーラム」が2022年12月21日に都内で開催された。…続きを読む

【イベントレポート】SMBCとHashPortが「ソウルバウンドトークン」で協業する理由とは?

このところ世界的な注目が集まっている、他人に譲り渡せないNFT「ソウルバウンドトークン(SBT)」。そのSBTについてのイベント「譲渡不可能なNFT(SBT)がWeb3にもたらす新機軸 -SMBCとHashPortが切り開く未来」が2022年12月、都内で開催された。

SBT事業での業務提携を発表したSMBCグループ常務執行役員の磯和啓雄氏、HashPort代表取締役の吉田世博氏らが登壇。SBTの本質的な価値や活用方法を語りあった。イベントはHashPortが主催し、coindesk JAPANがメディアパートナーをつとめた。…続きを読む

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:ダボス会議でのCBDCをテーマにしたディスカッション(Sandali Handagama/CoinDesk)