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マウントゴックス債権者グループ、破綻後に分離したコインの取り扱いけん制

Brady Dale
公開日:2019年 3月 26日 12:01
更新日:2019年 3月 26日 12:01

CoinDeskが入手した文書によると、民事再生手続き中のビットコイン取引所MTGOX(マウントゴックス)の約1000人の債権者グループであるMt. Gox Legalは、MTGOXの残された資産をどのように分配すべきかについて、グループの合意を示す試案を作成した。

一方、管財人の小林信明弁護士は2019年3月20日、民事再生手続きの一環として債権者への支払いが承認されている仮想通貨(ビットコインおよびビットコインキャッシュ)と現預金の詳細を明らかにした

小林氏が東京地方裁判所に提出した報告書によると、MTGOXが保有する現預金は695億5308万6521円。ビットコインの保有額は14万1686.35BTC、ビットコインキャッシュは14万2846.35BCH、両仮想通貨の価値は合計で5億9300万ドル(約650億円)以上となる。

管財人は、MTGOXからハッキングされたと言われる資産がさらに回収されることを引き続き期待している。またMTGOXが債権を有すると考えられる関係者、具体的には前CEOのマルク・カルプレス氏、MTGOXの親会社である株式会社Tibanneからの回収にも努めている。

報告書には届出再生債権の詳細も記載されており、管財人が認めた債権額はビットコインが80万2521BTC、ビットコインキャッシュが79万2296BCH、アメリカドルが3816万5664、さらにさまざまな仮想通貨でも届出再生債権を承認した。

だが、明らかな問題がある。

MTGOXは、認めた債権額のビットコインおよびビットコインキャッシュの返還に対応できるだけの仮想通貨を有していない。あるいは認めた債権額の仮想通貨を現在のレートで現金に換算し、返還できるだけの現金を持っていない。

また債権者への返還が実際に始まったとき、小林氏がMTGOXの財産をどのようにして分配するかは不明。だが今のところ、管財人は2019年4月26日を再生計画案の提出期限としている。

ハードフォークしたコイン

MTGOX Legalの試案 ── 同グループは日本の法律に沿った公式な再生計画ではないとしている ── は、破綻後にビットコインから分離(ハードフォーク)したコイン、例えばビットコインゴールドなどの取り扱いにも注目している。

その他にも、ビットコインX(BCX)、ビットコインダイヤモンド(BCD)、ライトニングビットコイン(LBTC)、ビットコインプライベート、スーパービットコイン(SBTC)、クラムス(Clams)、ビットコインインタレスト、ビットコア(BTX)、ビットコインアトムなどがある。

債権者グループは、これらの暗号通貨はいかなる取引所でも取り扱うには数が多すぎ、コインの秘密鍵の管理は極めて複雑なものになると考えている。

試案は次のように記した。

「我々は、管財人が保有するこれらのコインの量が、ほとんどのケースにおいて、これらのコインが日々、世界中で取り引きされている量よりもはるかに多いことに注目している。つまり、我々は管財人がこれらのコインをマーケットでまとめて売却しようとすることは、コインの価値の低下を招き、債権者の利益にはならないことを懸念している」

結論として試案は、ビットコインおよびビットコインキャッシュを安全な場所に移した後、オークションにかけることを提案した。

この問題は小林氏の報告書でも触れられていた。 「BTCの分裂により誕生した仮想通貨は、再生債務者に属するBTCから分裂したものに関しては、再生債務者に属し、再生債権者に対する弁済原資になると考えている」と小林氏は記した。

2014年2月にMTGOXが破綻して以来、あまりにも長い間、資産の返還を待ち望んでいる債権者グループはまた、再生計画がタイムリーに実施されることを求めた。

「我々は、一刻も早い暫定的な返還を可能とする民事再生計画しか支持できない」

昨年作成されたものからアップデートされた試案には数々の最終提案が並んだが、その中で債権者グループは取引所から消失したビットコインが回収される可能性に触れた。

「我々は、民事再生計画においては、計画成立後に発見されたいかなる資産についても、法的な受益者になり得るものを含め、すべての債権者に公平に分配されることが重要だと考えている」

管財人への要望

Mt. Gox Legalがまとめた試案には、管財人の今後の取り組みへの要望も記されていた。

第一に、MTGOXが保有している現金は破綻のケースと同じレートで支払われるべき。「これには、法的に認められる限り、利子もふくまれる」と試案は記した。

またMt. Gox Legalは、債権者の請求に基づいて現金が分配された後にも現金や仮想通貨が残ると想定していると述べた。それらは「ビットコインの請求比率に基づいて」分配されるべきであると述べ、受け取りに際しては、取引所の口座もしくはプライベート・ウォレットが選択できることを提案した。

さらに、過去に行われたような民事再生計画の一環としてのビットコインあるいはビットコインキャッシュの売却、もしくは購入は今後一切行われるべきではないとした。そして株主であるマルク・カルプレス氏、ジェド・マケーレブ、株式会社Tibanneは現金、仮想通貨、あるいはその他でも、いかなる支払いも受けるべきではないと付け加えた。

MTGOX破綻における責任を謝罪してカルプレス氏は以前、MTGOXのいかなる資産も受け取るつもりはないと述べ、「そのような可能性はバカげたこと」と付け加えた。

翻訳:Masaru Yamazaki
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Mt. Gox image via Shutterstock
原文:Mt Gox Creditors Warn Mass Sale Could Put Bitcoin Fork Prices At Risk