DeFiで稼ぐ人たち②── ウェブ編集者、ファンドマネージャーの話

DeFiで稼ぐ人たち②── ウェブ編集者、ファンドマネージャーの話

DeFiを使った「イールドファーミング」を行う「イールドファーマー」とはどんな人たちだろうか? 前編のグラミー賞アーティスト、ソフトウエアエンジニアに続いて、編集者とファンドマネージャーに話を聞いた。

ウェブ編集者の話

クーパー・ターリー(Cooper Turley)は、イールドファーミングがブームになった時、DeFiレート(DeFi Rate)というウェブサイトにライター兼編集者として勤務していた。

「弱気市場の終わりあたりで、暗号資産の次のトレンドは何かを見極めようとしていた」とツイッターではCoppertroopahとしても知られるターリーは話す。

クーパーは、DeFiプロジェクトに投資する際、利回りは重要ではないと語る。

「プロジェクトの正当性の方が重要だ。基本的にはプロジェクトを支えている人、あるいはプロジェクトを成立させるために費やされた時間だ」

クーパーは通常、新しいプロジェクトが正当なものかどうかを確かめるためにリサーチに数時間を費やす。最初に参加することが重要だからだ。

「最初の24時間がはるかに儲かることが、こうしたチャンスの奇妙な性質のようなものだ」

ほとんどのプロジェクトは、最初の数日間に特にトークン報酬を大判振る舞いする。「だから文字通り、最初の数時間に参加することが、受け取る報酬に大きな違いをもたらす」と彼は述べた。

名目金利はしばしば高く見え、ときには1000%を超えるが、短期間のみだからだ。

「スシスワップがあれほど人気を集めたのは、最初の1週間に10対1の報酬が提供されていたからだ。登場すると同時に新しいファーム(DeFiプロジェクト)に参加し、最初のチャンスを確保することをただ繰り返すことが、こうしたサービスの大半で最も儲かる方法だと証明されている」

ファンドマネージャーの話

プロの暗号資産投資家さえも、イールドファーミングに参入している。ジェイク・ブルクマン(Jake Brukhman)は、創業5年のデジタル資産投資会社、コインファンド(CoinFund)のマネージングパートナー。同社はさまざまな暗号資産プロジェクトやイールドファームに投資している。

ジェイクによると9月時点でコインファンドのポートフォリオの約20%は、イールドファーミングと流動性マイニングに投下されている。

「トークンの流動性は数年前よりもきわめて良くなっている。数年前には、中央集権型取引所にトークンを上場することは非常に難しかった」と5年以上にわたり暗号資産を研究・投資しているジェイクは述べた。

現在、状況はより簡単になっている。イーサリアムベースのトークンならどれでも、多くの分散型取引所(DEX)に簡単に上場できる。この状況がイールドファーミングの成長の基礎となっている。

ジェイクはイールドファーミングを「数多くの利回りのチャンスの中で利回りを最適化し、ときには同じ資本を積み重ねるもの」と定義している。

コインファンドは2018年3月、「汎用マイニング戦略」を目的としたグラスフェッド・ネットワーク(Grassfed Network)をスタートさせた。「ユーザーが暗号資産建ての報酬を獲得するためにプレーできる、分散型プロトコルによる暗号資産経済ゲーム」と定義されるものだ。実質的には、イールドファーミングの初期バージョンだった。

筋金入りのイールドファーマーも、イールドファーミングは実際のお金に相当するデジタルトークンでプレーするゲームのようなものと認めるだろう。

ジェイクは、バランサーのような分散型取引所(DEX)のファン。なぜならDeFiプロジェクトに流動性を提供し、プロジェクトが発行するDeFiトークンを獲得することは「流動性マイニング」とも呼ばれ、今、最高のイールドファーミングの方法だからだ。

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ジェイクがイールドファーミングについて語る時は、カジュアルでストレートなDeFi専門用語を使う。最近まで存在していなかったという事実がほとんどわからなくなってしまうほどだ。

「誰でもこれらのプロトコルの供給側に行き、資産に流動性を提供することができる。ユニスワップ(Uniswap)のバージョン2では、プールごとに資産は2つだけ。バランサーではプールごとに最大8つの資産を提供できる」

わかるだろうか?

DeFiのリスク

きわめて短命なものに思えるかもしれないが、イールドファーミングは暗号資産エコシステムにおける見込みある展開へとつながる可能性がある。とはいえ、話を聞いたイールドファーマーは全員、我々に同じことを語った。きわめてリスクが高いということだ。

「よくわかっていない、あらゆるリスクがあるはずだ」とミュージシャンのアンジョス(前編に登場)は述べた。

おそらく、最も不吉な警告をくれたのはクーパーだろう。「信じられないほどリスクがあると考えている。めちゃくちゃなリスクだ」とクーパーは述べた。

初期の利益は確かに素晴らしかっただろう。だが暗号資産市場は不確かな第4四半期に突入している。

イールドファーマーは注意が必要だ。

DeFiで稼ぐ人たち①──グラミー賞アーティスト、ソフトウエアエンジニアの話

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:Meet the Yield Farmers Plowing Cryptocurrency’s Riskiest Trend

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