デジタル人民元のテスト運用、北京で計画──取引実績を拡大させる中国

中国は中央銀行デジタル通貨の試験運用を広範囲で行ってきているが、首都・北京でもテスト運用が始まりそうだ。

中国・北京市の2つの地方当局、北京市地方金融監督管理局と北京市通州区人民政府は、11月9日に開いた会合で試験運用について議論した。テスト運用は、中国人民銀行(中央銀行)のデジタル通貨研究所が計画していおり、「中国(北京)パイロット自由貿易区全体計画」の一環だ。

北京におけるデジタル人民元のテストは8月にも議論されたが、今回の地方当局の会議では、北京や他の都市での「パイロット自由貿易区」に関する政策文書に記載されているように、テストは国家レベルの計画に含まれていることがわかった。

また新浪財経(Sina Finance)によると、会議では外資系金融機関に対する規制緩和や、国際的な資産管理やグリーン・ファイナンス(環境問題の解決に向けた投融資)の発展、デジタル人民元の実験など、2つの地方当局での政策実施も協議されたという。

北京におけるテスト運用は、深圳市で行われた試験に続くものだ。深圳市では、中国政府は総額1億6000万円相当のデジタル人民元を5万人の市民に配布した。一部の報道によると、市民の評価はそれほど高いものではなかったという。

中国人民銀行の易綱総裁は先日、デジタル人民元のテストでは400万件超、約2億9900万ドル(約309億円)相当の取引を完了させたと述べた。

デジタル人民元のテストを北京に拡大する動きは、中国商務省が発表した戦略に沿うものだ。テストは天津市や河北省、上海を含む長江デルタ地域の都市群などでも行われる可能性が高いとブルームバーグは8月に伝えている。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Sonny Ross/CoinDesk archives
原文:Beijing Municipal Government Conference Notes Plans to Pilot CBDC in China’s Capital