アメリカのCBDCは、まだ登場しそうにない:バンク・オブ・アメリカ

バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は11月13日の報告書で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は登場するが、デジタルドルは当面ありそうにないと述べた。

世界の国の67%、世界の国内総生産(GDP)の98%を占める中央銀行がCBDCの発行を検討しており、そのうちの33%はかなり進んだ段階にあるという。

CBDCは政府が発行するデジタル通貨で、通常はその国の法定通貨をトークン化したものだ。

アルケシュ・シャー(Alkesh Shah)氏率いるアナリストは、「アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)はCBDCの試験運用を続けているが、CBDCの発行にはコミットしておらず、行政府と議会の支援がなければCBDCを発行するつもりはない」と書いている。

「CBDCの利点とリスクは設計と発行アプローチに依存するが、我々はCBDCが国境を越えた決済と国内決済のためのより効率的で低コストの決済システム、金融政策の実施と金融包摂の改善のためのツールを提供することを期待している」と報告書は書いている 。

しかしそれでも、「銀行預金との競争、取り付けの頻度の増加、通貨主権の喪失、世界各国間の緊張を促進する可能性もある」と同行は述べた。

中央銀行と政府は、「民間セクターと受益者を活用し、CBDC導入のすべての段階にわたって関わる」ことで、暗号資産のイノベーションを推進することが期待されている。

バンク・オブ・アメリカは、CBDCは「世界の金融システムに革命を起こす可能性がある」という見解を繰り返している。

スイス国立銀行(SNB)は今月初め、SIXデジタル取引所(SDX)や6つの商業銀行とともにホールセールCBDCの試験運用に取り組んでいると発表した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Jesse Hamilton/CoinDesk
|原文:U.S. CBDC Is Unlikely in the Near Term: Bank of America

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