ビットコイン、10万ドル割れ──原油主導のリスク回避姿勢がウォール街に広がる兆し
  • ビットコインは22日、10万ドルを割り、5月以来の安値となった。イランがホルムズ海峡を封鎖する可能性への懸念が背景にある。
  • ホルムズ海峡は、世界の原油貿易の要衝であり、世界の原油供給の約20%を握っている。
  • またエックス・アール・ピーは4月初旬以来、イーサリアム(ETH)は5月初旬以来の安値に下落している。

ビットコイン(BTC)は22日、10万ドルを下回り、5月以来の安値となった。イランがホルムズ海峡の封鎖を検討しているとの報道を受け、週明けのウォール街でリスク回避の姿勢が強まると見られている。

ホルムズ海峡はオマーンとイランの間に位置し、ペルシャ湾とオマーン湾およびアラビア海を結び、世界の原油取引の約20%がこの海峡を通過している。

イランがホルムズ海峡の封鎖を検討しているとの報道を受けて、月曜朝にも原油価格が急騰するとの懸念が高まった。

「昨夜の米国によるイラン空爆を受け、50隻以上の大型タンカーがホルムズ海峡からの緊急退避を開始した。市場はまだ開いていないが、供給が直ちに減少し、原油価格を押し上げると見られている。JPモルガンはこれを、イスラエル・イラン戦争の最悪シナリオと記している」と金融アナリストのコベイシ(Kobeissi)氏がXで発行するThe Kobeissi Letterは記している。

JPモルガンによると、このシナリオでは原油価格は1バレル120~130ドルまで上昇する可能性があり、米国のインフレ率は2023年3月以来となる5%に達するおそれがあるという。その当時、FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げを実施していた。

ビットコインの下落は暗号資産(仮想通貨)市場全体にも波及し、主要なアルトコインのエックス・アール・ピー(XRP)やソラナ(SOL)、イーサリアム(ETH)も下落している。CoinDeskのデータによると、XRPは6%下落して1.935ドル付近、4月10日以来の安値となった。イーサリアムも5月初旬の水準まで下落している。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Price Slips Below $100K, Hinting Oil-Led Risk-Off on Wall Street

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