- エセナは、連邦政府の規制を受ける暗号資産銀行であるアンカレッジ・デジタルと提携し、新たなステーブルコイン法に基づき、15億ドル(約2205億円、1ドル147円換算)規模のステーブルコイン「USDtb」を米国で発行。
- エセナのガバナンストークンENAは、過去24時間で9%上昇し、暗号資産市場全体を上回るパフォーマンスを示した。
- この動きは、先週ジーニアス法が成立し、ステーブルコインおよび発行者が米国市場で事業を行うための規制が明確化されたことを受けたもの。
分散型金融(DeFi)プラットフォームのエセナ(Ethena)は、15億ドル(約2205億円)規模のステーブルコインを米国市場に導入する予定で、暗号資産(仮想通貨)銀行アンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)と提携し、新たなステーブルコイン法に基づきトークンを発行する。
両社が23日に発表した提携の一環として、連邦政府の規制を受ける暗号資産銀行アンカレッジは、GENIUS(ジーニアス)法の遵守基準に基づき、USDtbトークンを米国で直接発行する。
これは、現在のオフショアでのトークン発行モデルからの転換であり、機関投資家が規制された金融チャネル内でトークンを保有・使用するための道筋を築くことを目的とした措置だ。
「USDtbへの強い需要はすでに確認されているが、ジーニアス法への準拠により、パートナーや保有者は新たな商品やプラットフォームにおいて、USDtbの利用を自信を持って大幅に拡大できるようになると期待している」とエセナの共同創設者で、開発組織エセナ・ラボ(Ethena Labs)のCEOであるガイ・ヤング(Guy Young)氏は声明で述べた。
エセナのガバナンストークンENAは過去24時間で9%上昇し、多くのアルトコインが5~10%急落した暗号資産市場全体を上回るパフォーマンスを示した。市場ベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)は、同期間に1.3%下落した。
この動きは、トランプ大統領が先週、ステーブルコインおよび発行者が米国で事業を行うためのガイドラインを定める画期的な暗号資産関連法案であるジーニアス法に署名したことを受けたもの。ステーブルコインは、市場規模が2500億ドル(約36兆7500億円)の急速に成長している暗号資産の一種で、価格は外部資産、主に米ドルなどの法定通貨に連動している。世界最大のステーブルコインUSDTを発行するテザー(Tether)も、この新法に基づき米国市場に参入する計画を発表した。
12月に導入されたUSDtbは、1ドルの価格を維持することを目標としており、ブラックロック(BlackRock)とセキュリタイズ(Securitize)が発行するトークン化されたマネーマーケットファンドであるBUIDLによって主に裏付けられている。RWA.xyzのデータによると、USDtbは現在、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上で14億5000万ドル(約2131億5000万円)の供給量がある。エセナは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)をショートし、ファンディングレートの差から利回りを得る「デジタルドル」であるUSDeも発行している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Ryan Quintal/Unsplash, Modified by CoinDesk
|原文:Ethena Taps Anchorage to Issue $1.5B USDtb Stablecoin Under GENIUS Act


