- ビットコインが11万2000ドル近くまで上昇したことに牽引され、暗号資産は9月に力強いスタートを切った。
- この動きは、アメリカの株式市場がパニック的な月初の下落を乗り切る中で起きたものだ。
- 5日に発表予定の米雇用統計は、FRBが9月に利下げを実施するかどうか、またその規模を判断するうえで大きな役割を果たすだろう。
8月は非常に厳しい状況で終わったが、暗号資産(仮想通貨)市場ははるかに好調なスタートで9月を迎えている。三連休明けにアメリカのトレーダーが復帰すると買いが始まり、ビットコイン(BTC)は9月初めの10万7500ドルから11万1700ドル(約1620万円、1ドル145円換算)まで上昇した。
本記事執筆時点で、ビットコインは11万1600ドルで取引されており、過去24時間で2.5%上昇した。ソラナ(SOL)とエックス・アール・ピー(XRP)は同様の上昇幅となった。特に低迷したのは、8月に他より好調だったイーサリアム(ETH)で、過去1日間はほぼ横ばいだった。
パニック的なスタートを切り抜ける
暗号資産市場の調子を支えたのは株式市場の力強い反発だった可能性が高い。関税に関するネガティブな報道と、世界的な長期金利の上昇継続を受けて、主要な米株価指数は月初から大きな下落となり、ナスダックは2%下落した。
しかし、買いが入り始め、寄り付きから約90分後には株価の当初の下げ幅はほぼ半減した。
経済指標が控えている
今月は重要な経済指標が一つ既に発表されている。発表された8月のISM製造業景況指数は48.7で、エコノミスト予想をわずかに下回り、アメリカの製造業の縮小が継続していることを示した。個別の構成要素の指数である支払い価格指数は63.7で依然として好調だが、予想の65.3や前月の64.8を下回っており、物価圧力が少なくともいくらか緩和されつつあることが示された。
今週の重要な報告は5日の米雇用統計になるだろう。強い結果を受けて、今月行われる会合で金利を引き下げるというFRB(連邦準備制度理事会)のはっきりとした計画にいくらか疑問を投げかける可能性がある。しかし、弱い結果が出れば、一般的に予想されている25ベーシスポイントではなく、50ベーシスポイントの利下げが検討される可能性もある。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Bitcoin Retakes $111K as Risk Assets Reverse Off Worst Levels


