レジャーとレガシー・トラスト、機関グレードの保管サービスで提携

仮想通貨ハードウェアウォレットメーカーのレジャー(Ledger)と、香港に拠点を置くレガシー・トラスト(Legacy Trust)は、機関グレードの仮想通貨カストディ(管理・保管)サービスにおいて業務提携を結んだ。

両社は今回の提携によって、より多くの機関投資家の資金をデジタル資産に呼び込みたいと述べ、今回の提携の目的をCoinDeskに明らかにした。

レジャーが開発したマルチシグネチャー方式の仮想通貨ウォレット管理製品「レジャー・ボールト(Ledger Vault)」を活用することで、「安全かつ効率的に」ビットコインなどのデジタル資産のカストディサービスを提供できると、レガシー・トラストは述べている(マルチシグネチャーは、送金の際に複数名の承認を必要とする仕組み)。

また、今回注目すべきは、ERC-20トークンのカストディサービスを開始する点かもしれない。レガシー・トラストグループCEO兼創業者のビンセント・チョック(Vincent Chok)氏は、CoinDeskにこう語った。

「ERC-20トークンのカストディサービスはさらに注目が集まり、成長していくだろう。今後実施が予定されているセキュリティ・トークン・オファリング(STO)はすべてERC-20トークンのカストディが必要となる」

「ERC-20トークンのカストディに対する引き合いは年初から、週に5件は届いている」と同氏は加えた。

一方、レジャー・ボールトのグローバルヘッド、Demetrios Skalkotos氏は、「(今回の提携で)「投資家は資産を管理でき、利便性を獲得しながら資産確保に対する安心感を得ることができるだろう」と話した。

レジャーがレジャー・ボールトソリューションの開発を初めて発表したのは、2018年1月。同社は当時、レジャー・ボールトはやがて銀行やヘッジファンドなどの機関投資家向けのサービスになると考えていた。

仮想通貨セクターに注目する機関投資家が増える中、安全性の高いストレージの需要に応えるため、既存の金融機関もカストディサービス市場に参入してきている。

オンラインバンキングのスイスクオート(Swissquote)は今月、「核にも耐えられる」カストディサービスを始めると発表した。イギリスに拠点を置く民間軍事・警備会社のG4Sは昨年10月、投資家がデジタル資産を保管する仮想通貨カストディサービスの提供を開始した

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Shutterstock
原文:Ledger, Legacy Trust to Offer Institutional Custody of ERC-20 Tokens