ビットコイン、流動性の低下で価格は不安定:JPモルガン

ビットコイン市場の流動性が低下し、同暗号資産の相場は不安定な状況が続く可能性があると、米銀大手JPモルガン・チェースのアナリストがリサーチノートで述べた。

「ビットコインの市場流動性は、金(ゴールド)やS&P500に比べて、低下している状況だ。わずかな動きで価格に大きなインパクトを与える可能性がある」と、JPモルガンのNikolaos Panigirtzoglou氏は19日付のレポートで指摘。ブルームバーグが報じた。

ビットコインは昨年10月中旬から300%以上、値を上げたが、暗号資産取引所のアドレスが保有するビットコインの数は同期間で7%減少して、238万になった(グラスノードのデータ)。機関投資家による買い需要が、売り手側の流動性を著しく低下させ、価格は21日までに5万8000ドルを超える水準にまで押し上げた。

同アナリストは、ビットコイン現物と先物をあわせた市場規模が、1日あたり100億ドルで、金市場の1000億ドルの10分の一程度と述べた上で、少数の大口注文で、ビットコインの価格を大きく揺さぶる可能性が高いと指摘。

過去90日間の実現変動率(realized volatility)は21日現在、92%で、昨年6月9日以来の最高水準を記録した(スキューのデータ)。今後90日間の予想変動率(implied volatility)は94%。

CoinDesk 20のデータによると、ビットコインの価格は22日21時現在(日本時間)、5万4070ドル近辺を推移し、24時間で5.7%下落した。

|編集:佐藤茂
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|原文:Bitcoin Faces Price Turbulence as Market Liquidity Falls, Says JPMorgan