【市場動向】ビットコイン、イーサが反発、チャートは弱気のサイン

20日、暗号資産市場は反発したが、依然として弱気サインを見せている。

●ビットコイン(BTC)は20日21時(協定世界時:UTC/日本時間21日6時)現在、40,265ドル前後で取引され、24時間で2.1%上昇。

●ビットコインの24時間レンジ:3万5,709ドル~4万2,441ドル(CoinDesk 20のデータ)

●イーサリアム(ETH)は、2,804ドル前後で取引され、過去24時間で7.5%上昇。

●イーサリアムの24時間のレンジ:2,216ドル~2,992ドル。

トレーダーは様子見姿勢

ビットコイン価格推移(Bitstamp、5月17日〜)
出典:TradingView

ビットコインは、テクニカル分析では弱気シグナル。

20日、ビットコインはUTC1時(日本時間10時)頃の安値35,709ドルから、12時間後には42,441ドルまで上昇し、18%の上昇となった(CoinDesk 20のデータ)。しかし、その後ビットコインは下落し、当記事執筆時点では40,265ドルとなっている。

「現時点では40,500ドルを超えれば、45,000ドルまで上昇する可能性がある。しかし、ここで38,000ドルのショートポジション(弱気の投資)を取るか、ロング(強気の投資)に戻るか、どちらにしても慎重な姿勢を維持する」とトレーディング会社ExoAlphaは投資家向け文書に書いている。

「短期的には明らかにまだ下落リスクが残っている。市場が一度の上昇で反発することはほとんどない。税金のルールが厳しくなるというニュースなど、政治的なノイズが迅速な回復の重しとなっている」と投資会社テルリアンキャピタル(Tellurian Capital)のマネージングパートナー、ジーン-マルク・ボネファス(Jean-Marc Bonnefous)氏は述べた。

ボラティリティは上昇

ビットコインとイーサリアムの30日ボラティリティ(2021年)
出典:CoinDesk Research

暗号資産のボラティリティは上昇しているようだ。19日、ビットコインの30日ボラティリティは3月以来、初めて80%を超えた。イーサリアムのボラティリティはさらに高くなり、139%となった。

トレーダーは、こうしたボラティリティから利益を得ようとしているようだ。

「暗号資産は今後も存続し、現在のボラティリティは、新たなポジションを形成する上で魅力的なエントリーポイントになっている」とボイジャー・デジタル(Voyager Digital)共同創業者兼CEOのスティーブ・エーリッヒ(Steve Ehrlich)は述べた。

暗号資産店頭取引(OTC)トレーダーのアレッサンドロ・アンドレオッティ(Alessandro Andreotti)氏は、価格が乱高下しても「イーサリアムの長期保有者は、あまり気にしていないだろう」と述べた。

投資会社Ether CapitalのCEO、ブライアン・モゾフ(Brian Mosoff)氏は、ボラティリティのメリットは、中央集権型取引所とDeFi(分散型金融)の両方を含む暗号資産市場インフラのストレステストをリアルタイムで行うことができることと指摘した。

「これらのシステムは完璧ではないが、より強固になってきており、不具合を起こすことなく、大量の取引や価格変動に対応できるようになっている」とモリス氏は話した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Leverage Costs Get Cheap, Ether Volatility Jumps