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仮想通貨ウォレットに直接ビットコイン送れるメールサービス。エジプト企業がサービス開始

Brady Dale
公開日:2019年 6月 5日 22:00
更新日:2019年 6月 5日 22:00

エジプトのウェブ企業、インテリ・コーダーズ(Intelli Coders)は、分散型ウェブ開発企業ブロックスタック(Blockstack)のIDを利用する暗号化電子メールサービスDメール(Dmail)のベータ版を、6月1日(現地時間)にローンチした。同社CEOのモハメド・アブドゥ(Mohamed Abdou)氏によると、ローンチ前には、サウジアラビアからインドまでの500人が同サービスを試験的に利用しており、サービス開始後は、ユーザー600人の間で151通のメールがやり取りされている。

特に中東では、仮想通貨取引所へのアクセスが制限されていることが多い。そのため、ブロックスタックIDの外部仮想通貨ウォレットに直接ビットコインを送受信できる機能は、このメッセージサービスがユーザーを引きつける重要な機能になり得るとアブドゥ氏は述べた。

「メッセージには、初めから社会情報や決済情報などがひもづけられています」とアブドゥ氏は語る。「私は、プライバシーの文化を、特にエジプトで、広げようと尽力しています」

エジプト在住のビットコインユーザーの多くは、仮想通貨を入手するのに苦戦している。マイニングするための電力は高く、仮想通貨取引所といったサービスは概して、この地域でサービスを提をしていなからだ。また、エジプト政府は、今のところビットコインの取引商業利用禁止している

「これは人権にも関連しています。人間には、プライベートかつ安全な方法で他者とコミュニケーションを取る権利があるからです」とアブドゥ氏はCoinDeskに語った。「ビットコインは、世界中でフリーランスをしているソフトウエア開発者の役に立つかもしれない」

ブロックスタックの投資家、Dメールのアドバイザー、そしてZKキャピタルの創業パートナーでもあるMohamed・Elkasstawi氏は、エジプトの失業率が高い水準にあることは、ブロックチェーン領域のグローバル企業の目にチャンスとして映る可能性があるとCoindeskに述べている。

「導入は、(従来のシステムに対する)信頼が低い新興市場で見られるだろう」

仕組み

Dメールは、ブロックスタックの分散型ID(DID)を利用しており、ユーザーのアカウントには、ギットハブ(GitHub)や社会的プロフィール、またそれだけでなく、仮想通貨アドレスなどが結び付けられる。データはユーザー自身のみが管理する。

同サービスは現在、ブロックスタックの「アプリ・マイニング(App Mining)」プログラムに参加している。同プログラムは、参加しているアプリの利用度や開発者の貢献度など、複数の指標を用いてランキングを作成し、その順位に基づいてビットコイン助成金を分配する。

安全性の高いメールサービスには明らかに需要がある。現在市場で首位を走るプロトンメール(ProtonMail)のユーザー数は1000万人に上るとされている。

Dメールのメッセージは暗号化されている。また、ブロックスタックのストレージシステムを利用しているため、DID所有者本人のみが自身の関連データにアクセスできる。別のID所有者からメッセージを受信するためには、受信を承諾しなくてはならない。受信者はいつでもその承諾を解除し、新規メッセージの受信を停止することができる。

ブロックスタックのグロース部門のヘッド、パトリック・スタンリー(Patrick Stanley)氏は、無料サービスであるDメールに対して、以下のように述べている。

「彼らは、モチベーションが高いチームのように見受けられます。エジプト中にいる、彼らのような開発者には、人々を保護する素晴らしいアプリを開発できるよう、より資金調達しやすい環境が必要です」

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Mohamed Abdou image via Intelli Coders
原文:Encrypted Email Service Launches on Blockstack With Bitcoin Features