バイナンス、後任CEOを検討──本社開設も計画

世界最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所、バイナンス(Binance)は、新たなCEOとして規制に精通した人材を探している。「CZ」として知られるカリスマ的リーダー、チャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏の後任とするためだ。

「私のあとを継ぐことができる候補者は常に複数いる。CEOとなる、規制に精通した人物を探している」とジャオ氏は27日、記者会見で述べた。

同氏によると、後任のスケジュールは決まっておらず、すぐに退任するわけではないという。

「私はこれからもバイナンスとバイナンスコイン(BNB)のエコシステムに貢献していく。そうするためにCEOである必要はない」

地域別本社を計画

バイナンスはイギリス、日本をはじめ、多くの国での規制措置を受けている。同社は27日、出金限度額を2BTCから0.06BTCに引き下げた。

ジャオ氏は「認可を受けた金融機関としてバイナンスを運営することを光栄に思う」と強調し、自身の辞任時期は規制強化への対応などではなく、優れたリーダーが現れた時だと述べた。

また現在の規制強化に対処するための計画の一環として、バイナンスは「テック系スタートアップから金融機関へと方向転換」しており、本社を開設して、規制当局が容易に認識できる構造を作ることも計画しているという。

「当社の構造は、規制当局にとって比較的わかりにくい。例えば、本社がないといったシンプルなこともそうだ。そこで我々は今、世界各地の地域本部に複数の本社を設置することを検討している。まだ具体的な場所は決まっていない」

ジャオ氏は、これまでの規制当局とのコミュニケーションが「ベストなものではなかった」ことを認め、現在の計画は規制当局経験者を採用し「あらゆる場所でライセンスを取得すること」と付け加えた。

米当局がバイナンスを調査していると伝えられたことが、複数の国での一連の規制強化のきっかけになったのかという米CoinDeskの質問に対して、同氏は次のように答えた。

「今回の規制当局の動きが協調的な取り組みだと誰も言っていない。なので、我々にはわからない」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk Archives
|原文:Binance’s CZ Is Looking for His Replacement as Exchange Gets Regulatory House in Order